日本維新の会と公明党の対決が軸となった兵庫8区(尼崎市)では、公明前職の中野洋昌氏(46)が5選を決め、議席を死守した。27日深夜に尼崎市内の選挙事務所で、支持者らの拍手と歓声に迎えられた中野氏は「本当に苦しい戦いだったが、皆さんの支えで押し上げていただいた。期待に応えられるようしっかり働き、恩返ししたい」と決意を述べた。
【写真】衆院埼玉14区で小選挙区の戦いに挑んだ公明党・石井啓一代表は落選した
兵庫8区はかつて公明の故冬柴鉄三元国土交通相が地盤とし、公明支持者が多い重点区だ。冬柴氏の後継である中野氏が平成24年衆院選以降、4連勝を重ねてきた。
しかし令和3年の前回選で兵庫県内にも伸長した維新が今回、公明との小選挙区対決にかじを切り、公明は石井啓一代表や石破茂首相(自民党総裁)ら与党幹部を応援に投入するなどして総力戦を展開した。
中野氏は子育て支援策などの実績をアピールするとともに政治とカネ問題を受けてクリーンな政治の実現などを訴え、幅広く支持を広げた。
維新新人の徳安淳子氏(62)は、当初出馬が予定されていた参院議員の兵庫県知事選立候補表明に伴い、公示直前に白羽の矢が立った。選挙戦では吉村洋文共同代表が応援に駆け付け、徳安氏も尼崎市を地盤とする元県議として街頭などで支持を求めた。小選挙区では敗れたが、重複立候補していた比例代表で復活当選した。