「初詣のあとに…」愛犬の死を招いた主人の“善意”――飼い主が知っておきたい「クリスマスや年末年始に増えるペットの急死」の裏側と対策


■年末年始に増えるペットの急死

 年末年始、ペットの急死が激増します。

 例年、この時期に僕が病理解剖するペットの遺体の数は、ほかの時期の2倍に跳ね上がります。正月休み中に、2頭、3頭……と、立て続けに遺体が運ばれてくることも珍しくありません。

大半の悲劇は、飼い主さんがほんの少し気をつけているだけで避けられます。去年に引き続き【関連記事:「クリパの翌日に」死んだ愛猫の腸内にあった異物】、具体的な事例を紹介しますので、ペットを飼っている方はぜひ読んでいただければと思います。

 まだそれほどの年齢でもなく、これまで大きな病気もしなかったチワワです。動物病院の獣医師は「散歩中に何かを拾い食いし、中毒を起こしたのではないか」と疑っていました。

 飼い主さんは突然の悲劇に動揺しながら、「とにかく、正確な死因を知りたい」と強く望まれたそうです。

■死因は中毒ではなかった

 解剖を進めていくとすぐに、胃が大きく膨らんでいることに気付きました。胃拡張です。また、胃の内容物が逆流して、気管に入り込んでいることもわかりました。

 気管は入り込んだ異物で塞がっていて、それによって窒息を起こしていたようでした。その後、組織などを詳しく検査した結果、死因は窒息死であり、中毒死ではなかったと正式に診断しました。



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