白岡市役所火災の出火原因を特定:床コンセントの差し込み不良とリチウムイオン電池が引火拡大の要因に

埼玉県白岡市役所本庁舎で5月に発生した火災に関して、同市は28日、詳細な調査報告書を公表しました。この報告書により、火災の主原因が1階の床コンセントへの可動式プラグの差し込み不良であったこと、そしてその後の延焼拡大にリチウムイオン電池が深く関与した可能性が高いことが明らかになりました。市民の関心が高いこの事故に対し、市は再発防止策と市長の給料減額処分を発表し、責任の重さを強調しています。

白岡市役所火災の主原因:コンセントの差し込み不良とリチウムイオン電池

白岡市が公表した調査報告書によると、火災の出火場所は1階税務課内の納税コールセンターでした。主な原因は、床に設置されたコンセントに差し込まれていた可動式プラグの接続が不完全だったことです。この接触不良により電気抵抗が増大し、プラグの樹脂部分が異常発熱して発火に至ったと推測されています。初期の火は、付近のゴミ箱として利用されていた段ボールや書類に燃え広がりました。

火災が短時間で急速に拡大した背景には、事務机上に置かれていたリチウムイオン電池の燃焼が強く疑われています。防犯カメラの映像には、出火直後に「爆発したかのような激しい閃光」が記録されており、これは事務机の天板温度上昇に伴うリチウムイオン電池の引火・燃焼を示唆しています。しかし、職員への聞き取りでは、当該電池や内蔵機器の具体的な存在は確認できなかったとされています。この分析は、市の調査と埼玉東部消防組合からの情報提供に基づいてまとめられました。

白岡市役所火災で焼損した税務課執務室の様子、奥には会計課が見える白岡市役所火災で焼損した税務課執務室の様子、奥には会計課が見える

市長の責任と再発防止への取り組み

藤井栄一郎市長は記者会見で、「庁舎を統括する立場として、責任を重く受け止める」と述べ、自身の10月分給料を30%、副市長を同20%減額する条例案を9月市議会に提出する意向を表明しました。これは、事件に対する市長としての強い責任感を示すものです。

再発防止に向けて、市は複数の対策を講じるとしています。具体的には、有識者によるオフィスレイアウトの検証を行い、安全性の向上を図ります。また、職員を対象とした定期的な防火研修を強化し、危機管理意識の徹底と初期消火対応能力の向上を目指します。

庁舎の現状と今後の見通し

火災は5月6日午前11時16分ごろに発生し、1階の執務室約800平方メートルを焼損させ、約6時間後にようやく鎮火しました。この火災により、本庁舎は全体が使用不能となり、現在も隣接する市の施設が臨時庁舎として利用されています。

市は市民サービスへの影響を最小限に抑えるため、迅速な対応を進めています。職員駐車場にプレハブ仮庁舎の建設工事を進めており、11月下旬の入居を目指しています。これにより、本格的な復旧までの間、安定した行政サービスの提供を維持する計画です。

今回の白岡市役所火災は、身近な電気設備やリチウムイオン電池の取り扱いに関する注意喚起となるだけでなく、大規模な公共施設における防火対策の重要性を改めて浮き彫りにしました。市は今回の教訓を活かし、安全な庁舎環境と行政サービスの継続に努めていく方針です。


参考文献: