競艇にのめり込み闇バイトへ
2023年1月、東京都狛江市で起きた強盗致死事件をはじめ、広域強盗事件に関与したとして逮捕・起訴された永田陸人被告(23)。10月18日から東京地裁立川支部で始まった裁判員裁判では、検察側が永田被告に無期懲役を求刑するなど、その犯行の悪質性が浮き彫りになっています。
本記事では、裁判でのやり取りから、永田被告がいかにして闇バイトの世界に足を踏み入れ、凶悪な犯罪に手を染めていったのか、その詳細に迫ります。
SNSがきっかけで犯罪組織の一員に
元々は石川県内で土木作業員として真面目に働いていた永田被告。しかし、競艇にのめり込んで多額の借金を抱え、その返済のためにSNSで闇バイトに応募したことが全ての始まりでした。
2022年11月、指示役「キム」と名乗る人物とテレグラムで連絡を取り始めると、永田被告の日常は一変。土木の仕事を続けながら、「キム」から指示された“案件”を実行するため、各地を転々とする生活が始まりました。
初仕事は空き巣、抵抗なく犯罪に手を染める
最初の“案件”は、同年11月に神奈川県秦野市で行われた空き巣でした。当初は強盗目的で家へ押し入ったものの、住人が在宅していたため、結果的に空き巣となったのです。この時、永田被告は887万円相当の腕時計64点などを盗み、約50万円の報酬を受け取っています。
法廷で永田被告は「過去に違法薬物販売人を襲って金品を奪ったことがあり、盗みに対する抵抗はなかった」と、当時の心境を赤裸々に語りました。
指示役との密な連絡、組織的な犯行の実態
永田被告は、指示役「キム」らとのやり取りに、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」を使用。犯行前に綿密な打ち合わせを行い、指示に従って犯行に及んでいたことが分かっています。
検察側は、永田被告が一連の強盗事件において、指示役の指示を実行犯に伝えたり、現場で判断を下すなど、リーダー格の役割を担っていたと指摘。組織的な犯行の実態が明らかになってきました。
(後編に続く)
「ルフィ」らを名乗る指示役が関与した広域強盗事件。実行犯を務めたとして逮捕起訴された永田陸人被告(23)。