衆議院選挙は27日に投開票が行われ、国民民主党は公示前の7議席から大幅に伸ばし、28議席を獲得した。この結果を受けて、玉木雄一郎代表は28日に取材に応じた。過半数割れした自民党・公明党の与党から、連立参加の打診を受ける可能性がある点については、連立参加を否定。今後行われる臨時国会では、首相指名選挙で野党第一党である立憲民主党との連携についても、野田佳彦代表ではなく「玉木雄一郎と書く」と明言した。
―連合・芳野友子会長と、どんな話を。
先ほど芳野会長に選挙結果の報告をしてきた。まず連合のみなさん、それぞれの地方連合会で我が党の議員、また比例票も含めて大変お世話になったことに、御礼を申し上げた。ただ私たちとしては、手取りを増やすという経済政策を訴えて、この12日間やってきたので、訴えた政策をしっかり実現していく、民間の特に連合の努力で賃上げは実現しているが、税・社会保険料負担、あるいはガソリンをはじめとしたエネルギーコストが高くて、なかなか手取りのアップにつながっていない、そこをきちんと実感していただけるような政策、選挙で約束した政策をしっかりと実現していくんだということを改めて決意を込めてご報告を申し上げさせていただいた。もう次の来年の参議院選挙に向けた戦いが始まっているという認識のもと、候補者の擁立を始め、怠りなく選挙準備を行っていくこと、このことも報告をし、また協力を求めた。
―立憲民主党との関係について、芳野会長や玉木代表から話は。
特段、立憲についてはなかったが、コミュニケーションをよく取ってほしいという話はあった。
―連合から政策協議の要望がされていた。
前・泉代表の時代に、そういった要請も我々もいただいたが、今日はそういう話はなかった。基本政策の一致はむしろ我々がずっと言っていることなので、立憲がどういうふうに新体制で、あるいは選挙を考えるのか、まずそこをよく見定めたい。
―芳野会長の反応は。
芳野会長にも、応援に入っていただいた我が党の公認候補もたくさんいた。本当に私から心からの感謝を申し上げるとともに、芳野会長も当選をした議員が出たことについて、またこういった結果が出たことについて喜んでいただけた。良かったと思うし、改めて感謝の気持ちを伝えた。
―議席が4倍増。
国民の皆さん、有権者の皆さんに感謝している。我々は別に結党以来、言うこと・やること・方針・信念を曲げずにやってきたが、そういう我々の活動や政策を評価いただき、むしろそういう我々を見つけていただいて、具体的な投票行動に繋げていただいた。必ずしも高い投票率はなかったが、その中でもこういった議席をいただいたこと、全国で610万人以上の方が、比例で入れていただいている。私たちの政策本位の、対決より解決の姿勢を評価いただいた有権者国民の皆さんに感謝しかない。だからこそ、選挙で訴えた政策を、死に物狂いで実現していくということが求められていると思うし、何が何でも政策実現これに全力を傾けていきたいと、それが支援いただいた有権者国民の皆さんへの責任の果たし方だし、恩返しだと思う。
―与党が過半数割れ。芳野会長との会談の中で、連立の枠組みについて話は。
私から「連立には入りません」「そういうことは考えておりません」ということは、選挙中も申し上げたが、改めてそのことは申し上げた。後はこれまでと同じだが、政策本位でいい政策があれば協力するし、駄目なものは駄目と言っていく。
―芳野会長の反応は。
特段何かご発言があったわけではない。我々の変わらぬ姿勢を伝えたということ。
―これまでに自民党側からは連立の相手として国民民主党をぜひ検討したいという声が上がっていた。打診があったら受けるのか。
私はそういう打診があること自体承知していない。いずれしてもコミュニケーションは自民党に限らず、立憲民主党や各党ともやっていこうと思っている。まだ何か具体的な話があるわけではないので、何か言う段階にはない。
―立憲民主党・野田代表が政策協議は国民民主党と行いたいが、2段階に分けて、まずは連立枠組みなど、喫緊の課題について話し合いたい、国会が終わった後に、もう少し参院選に向けた長いスパンでじっくりと政策協議を行いたいと言っていた。
常に逆。我々も何カ月も何年も前から、外交安全保障、エネルギー政策、原発を含むエネルギー政策や憲法などについて、一致がなければ協力は難しいし、逆にできればいろいろな展開が開けるだろうということを申し上げてきた。結局それは実現しない。気をつけなければいけないのは、日本も自公が過半数割れして、いろいろ意味で政治が流動化し、来月はアメリカ大統領選挙がある。政治的な権力の空白のようなものが生まれた瞬間に、南西諸島防衛に対しての懸念が広がる。そういった隙を与えないような対応が必要だ。安全保障政策についてバラバラなままで何かを決めても、それは非常に我が国の国益や我が国の国防を不安定化させる要素になる。いろいろな可能性はある。与党、野党関係なく。ただ、やはり外交安全保障、エネルギー政策、こういったものについての一致がなければ、それは国民の期待する枠組みはならない。何するにしても、まずは基本政策の協議と一致が不可欠だ。
―基本政策重要政策の一致がなければ、特別国会で首相指名選挙で、決選投票も含めて、野田佳彦代表を書いてほしいという協議には応じられないということか。
(指名選挙では)玉木雄一郎と書く。
―衆議院選挙前、連合との会談の中で自己過半数割れを目指して、立憲国民の両党で候補者調整を行うよう要請がされていた。来年の参院選に向けてそういった連携をどのように図るのか。
候補者調整を連合から要請があって、我々例えば連合が推薦しているところには、立憲に連合の推薦が出るところは立てていない。むしろ立憲は連合推薦が出たところにも、後から立ててきて、結果として自民党に議席を与えるということをやっている。立憲がどう考えるか。
―憲法改正について。改憲勢力は3分の2に届かない結果に。今後どういった姿勢で臨むか。
これも従来から申し上げている。我々はもう憲法改正案を作って、国会に提出する直前まで行ったわけだが、自民党、あるいは今回公明党もそうだが、与党がどうするか。選挙の時に改憲、改憲と言っているが、本当にやる気があるのかどうか。自民党の本気が試される。我々は変わらずまともな憲法改正には協力するが、まずは党内をしっかり固めていただきたい。衆議院と参議院の意見が分かれているのに、他党に呼びかけて、あるいは5会派でほぼ合意したものを選挙の時にひっくり返して、また違うことを言うような自民党とはなかなか真面目に向き合って憲法議論するということにならない。もっと自民党は真面目に憲法改正に向き合っていただきたい。
(ABEMA NEWS)
ABEMA TIMES編集部