アメリカ大統領選に向けて共和党候補ドナルド・トランプ氏が、再び物議を醸す発言をしています。10月24日にアリゾナ州テンピで行われた支持者集会で、アメリカは移民や難民の「ゴミ箱」になっていると発言したのです。
ラテン系住民が多いアリゾナ州での発言
ラテン系住民が人口の3割を超えるアリゾナ州での集会で、トランプ氏は「(移民らが)ギャングを解き放ち、暴力行為を繰り広げている」と主張しました。2016年の大統領選から、移民に対する恐怖や偏見を煽るような発言を繰り返してきたトランプ氏ですが、今回の発言はさらに移民の人間性を否定するような過激なものでした。
「世界のためのゴミ箱」
トランプ氏は、貧しい国々から亡命を求めてくる難民にとって、アメリカは「捨て場所」になっていると発言。「我々は世界のためのゴミ箱みたいなものだ」と、これまでになかった「ゴミ箱」という表現を用いて移民を侮辱しました。
さらに、違法な国境越えが減少傾向にあるにも関わらず、「何百万人という数がなだれ込んできている」と虚偽の主張を展開。「もうこれ以上、同じことは許さない」と、移民排斥の姿勢を鮮明にしました。
ハリス副大統領への批判も
NBCニュースによると、トランプ氏は民主党副大統領候補のカマラ・ハリス氏も批判の対象にしました。移民の流入はハリス氏のせいだとし、「サンクチュアリー・シティー」(不法移民の保護を行っている都市)の指定を取りやめ、国境警備隊員を新たに1万人増員すると訴えました。
CNNのイベントでのハリス氏の発言がきっかけ
一連の発言の背景には、23日にCNNが開催したイベントで、ハリス氏がトランプ氏の移民政策に言及したことがあります。2016年の選挙戦で、メキシコとの国境に巨大な壁を建設すると公約したものの、結局ほとんど何も実現できなかったと指摘しました。
今回のトランプ氏の発言は、ハリス氏の発言に対する反論とも取れます。
まとめ
アメリカ大統領選が近づくにつれて、トランプ氏の過激な発言が目立つようになってきました。今回の「ゴミ箱」発言は、再び大きな波紋を呼ぶ可能性があります.