相次ぐ一連の強盗事件…東京・狛江市で90歳の女性が死亡した事件など6つの事件で起訴された実行役の男に対し、検察側は、東京地裁立川支部で開かれた24日の裁判で、被告に対し無期懲役を求刑した。これまでの事件では、未明に被害者宅の窓を破壊したり、宅配便業者を装って侵入するといった手口が明らかになっているが、もしも家の中で強盗と鉢合わせしたとき、どう対処すればいいのか? 防犯アナリストの桜井礼子さんに聞いた。
外で大きな音がするかどうかがポイント
──全国で相次いでいる一連の広域強盗事件の山口県・岩国市の場合では、カッターで脅され、結束バンドで縛られそうになりましたが、被害者が日本刀を手に取ったことで、犯人らは慌てて逃走したそうです。強盗団に家に侵入されたときに役立つ防犯アイテムはありますか? アクション映画なんかで見るようなスタンガンは?
スタンガンなどこの手の道具は、使うにはある程度訓練が必要です。慣れている人じゃないと使いこなすのが難しい。逆に犯罪者の手に渡ってしまった時は、武器として使われる懸念もあります。
催涙スプレーはありかと思うのですが、ただすぐに逃げることができる状況下においてのみです。逃げきれなかったら、自分も涙がボロボロ、むせてゴホンゴホンと咳込んでしまい、動けなくなるかもしれません。成分が軽いものから、クマが倒れるくらいのものまでありますので、外で使うのはいいですけど、家の中では注意が必要です。
──強盗の侵入時に、防犯ブザーを鳴らすというのはどうですか?
ポータブルな防犯ブザーだと意味はないです。家の中で鳴らしたところで、外には聞こえませんので、助けを呼ぶことにはなりません。強盗に「何やっているんだ!」と逆上されるだけ。警報音は、外で大きな音がするかどうかがポイントです。
いま、すごくいいものがあって、「緊急非常警報装置」と言います。
火災報知器みたいに、ボタンを押すと、外で非常に大きな音が鳴るシステムで、その「非常押しボタン」はワイヤレスになっていて、ネックレスタイプだったり、腕時計タイプだったり、肌身離さず携帯することが可能です。
ボタンを押すと、通りに向かって設置されている警報機が「キャンキャンキャーン」とか「ジリリーーーーーン」とすさまじい音を鳴らし、ライトが激しくパッパッパッと点滅します。
犯罪者は警報音をすごく嫌いますから、こういったセキュリティーシステムを備えておくのが策の1つです。高齢のご夫婦だとか、ひとり暮らしの場合は、そういうものを活用してもいいかなと思います。