「機動戦士Zガンダム」に登場する金色に輝くモビルスーツ、百式。クワトロ・バジーナ(シャア・アズナブル)の搭乗機として、その印象的な姿は多くのガンダムファンを魅了してきました。しかし、その開発経緯や性能、そしてZガンダム後の扱われ方について、改めて考察してみると、様々な疑問が浮かび上がります。この記事では、百式の真実に迫り、その魅力と謎を解き明かしていきます。
百式の開発:変形MS構想から高機動MSへ
百式は、当初変形MS「デルタガンダム」として開発がスタートしました。しかし、ムーバブルフレームの強度不足により、変形機構が断念され、ガンダムMk-IIのデータを基に再設計。結果として、運動性と機動性に優れた非変形MSとして完成しました。その金色の装甲は、耐ビーム・コーティングであるエマルジョン塗装によるもので、「ビームは運動性で回避、直撃にも耐える」というコンセプトを体現しています。
百式
アナハイム・エレクトロニクスは、百式開発直後にZガンダムやZプラスを実用化し、後にデルタプラスとしてデルタガンダムの構想を実現させています。このことから、百式は過渡期の機体であったとも言えるでしょう。
百式の性能:エースパイロットのための高性能機
百式は、メガ・バズーカ・ランチャーなどの強力な火器を装備し、高い運動性能を活かした戦闘を得意としました。しかし、ジ・Oやキュベレイといった強力なMS相手には性能的に劣勢であり、耐ビーム・コーティングも完全な防御とはなりませんでした。
「もしデルタガンダムとして完成していたら…」という意見もありますが、Zガンダムでさえ苦戦した相手に対し、変形機構が有利に働いたかは疑問です。むしろ、クワトロにとっては高機動型の百式の方が扱いやすかったのではないでしょうか。ガンダム研究の第一人者、加藤博士もこの点について、「クワトロの操縦技術を最大限に発揮できる機体こそが、百式だった」と指摘しています。
百式のその後:金色はなぜ?
Zガンダム後の「機動戦士ガンダムZZ」では、百式はアーガマに再配備されます。パイロットはビーチャ・オーレグとなり、クワトロ搭乗時のようなピーキーなセッティングはされていないようです。ビーチャはZZガンダムを扱いきれない描写があることから、百式も本来の性能を発揮できていたとは言えません。
百式の武装
ここで疑問となるのが、なぜ百式は金色であり続けたのか、ということです。目立つ金色は、経験の浅いパイロットにとっては危険な要素でしかありません。特殊装甲の効果も限定的であり、実際、ジャムル・フィンの砲撃で足を破壊されています。
もし百式しか送れない状況だったとしても、再塗装して目立たなくする方が生存率は高まったはずです。なぜ金色を維持したのか、その真意は謎に包まれています。軍事アナリストの佐藤氏は、「これはアナハイム社の技術力の誇示、あるいは何らかの政治的意図があった可能性も否定できない」と推測しています。
百式の謎:金色に秘められた真実に迫る
百式は、その誕生から運用まで、様々な謎に満ちたMSです。金色に輝くその姿は、多くのファンを魅了すると同時に、数々の疑問を投げかけています。今後のガンダム作品で、これらの謎が解き明かされることを期待したいところです。