歌手の松山千春氏(69)が3日、FM NACK5のラジオ番組「松山千春 ON THE RADIO」に生出演し、先月の参院選で歴史的な大敗を喫し、自公が過半数を割り込んだ自民党の石破茂首相(当時)を巡る進退論について言及しました。松山氏は、現状の政治に対する国民の不満や、首相が辞任するタイミングの難しさについて独自の視点を示しました。
参院選大敗後の進退論と辞任のタイミング
松山千春氏は、自民党が参院選で大敗した時点で、石破首相が辞任しなかったことについて、「辞任しなかったら、次から次へと国内行事がいろいろあって、辞める時がなくなる」と指摘しました。広島や長崎の原爆の日、そして8月15日の終戦の日など、重要な国家行事が控えているため、その間に首相が不在となるのは不自然だとの見解を示しました。松山氏は「総裁選をやる時間もないし、やるなら負けた瞬間にやるしかなかった」と、選挙結果直後の迅速な対応が必要だったと述べています。
松山千春さんが石破首相の進退論について語る様子(2023年撮影)
「既存政党への飽き飽き」と国民の不満
松山氏は、今回の選挙結果の背景には「いわゆる既存の政党に飽き飽きしてるっていうことだな」という自身の見立てがあると明かしました。彼は、「石破さんがどうとか、自民党がどうのとかうんぬん言うけど、ようは自民党の政治に飽き飽きしているわけだよ」と、政党そのものへの国民の不満が根強いと分析。具体的な例として、以前議論された2万円給付や、内容が不明瞭な日米の関税交渉を挙げ、「我々もだいたい次、何をやるか見えてるし」と、政治の透明性や国民への実益の欠如が不信感につながっていると語りました。
自民党の石破茂首相がカツカレーを食す様子。政治の難局に直面する石破首相の日常風景。
続く公務と石破首相の進退否定
松山千春氏は、「石破さんをおろそうとしてもな、仕事が次々あるからな。なかなか追い込めない」と、石破首相が公務で多忙を極めている現状が、党内からの退陣要求を困難にしている要因であると指摘しました。7月23日には、一部で石破首相への退陣要求の声が報じられましたが、石破首相は自民党本部で麻生太郎氏、菅義偉氏、岸田文雄氏といった首相経験者3人との会談後、「私の出処進退につきましては一切話は出ておりません」と否定していました。この生放送は北海道札幌市のSTVラジオで行われました。