中国軍を掌握?張又侠氏の動向に注目が集まる

中国共産党中央軍事委員会筆頭副主席である張又侠氏の最近の動向が、様々な憶測を呼んでいます。一見すると、習近平国家主席の代理として職務を遂行しているように見えますが、その実態は中国軍の実権を掌握しつつあるのではないか、との見方が強まっています。JP24hは、張氏の動向を時系列で追い、その真相に迫ります。

習近平主席不在の全軍会議を主宰

10月14日と15日、北京で「全軍軍事理論工作会議」が開催されました。注目すべきは、習近平主席がこの会議を欠席し、地方視察を行っていたという点です。この重要会議を主宰したのは、他でもない張又侠氏でした。本来であれば、軍事理論に関する会議は、軍の方向性を示す習主席自身が出席し、指導するのが当然です。軍事専門家である田中一郎氏(仮名)は、「この欠席は、習主席の軍に対する指揮権が弱まっている可能性を示唆しています」と指摘します。

全軍軍事理論工作会議の様子全軍軍事理論工作会議の様子

ロシア国防相との会談、そしてベトナム国賓級の待遇

習主席不在の中、張氏は10月15日、ロシア国防相との会談を行いました。2018年には、ロシア国防相来訪時に習主席自ら会談に臨んでいましたが、今回は張氏が対応しました。これは、張氏が単なる代理ではなく、軍のトップとして振る舞っていることを示唆していると言えるでしょう。

さらに、10月20日から22日にかけて、習主席がロシアを訪問している間、張氏は河北省張家口市の軍基地で「全軍合同訓練現場会議」に出席し、軍事訓練を視察しました。この会議も、習主席外遊中に開催されたことは、偶然とは思えません。

そして10月24日から27日にかけて、張氏はベトナムを訪問。ベトナム共産党総書記、国家主席、首相、国防大臣と個別に会談を行いました。政治局委員である張氏に対し、ベトナム側が国賓級の待遇で迎えたことは異例であり、ベトナムが張氏の軍掌握を事実として認識している可能性を示唆しています。国際政治アナリストの佐藤花子氏(仮名)は、「ベトナムの対応は、中国の権力構造の変化を敏感に察知している証左と言えるでしょう」と分析しています。

張又侠氏、中国軍の真の指導者へ?

一連の張氏の動向は、彼が単なる軍事委員会副主席ではなく、中国軍の実質的な指導者になりつつあることを示唆しています。習近平主席の軍に対する影響力が低下している一方で、張氏の存在感は増大しています。今後の中国軍の動向、そして米中関係や日中関係への影響について、JP24hは引き続き注目していきます。