中国が南シナ海の軍事プレゼンスを強化する中、新たな大型艦の建造が確認された。香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、広東省広州市南沙区の竜穴島で建造中の大型艦について、軽空母もしくは強襲揚陸艦の可能性があると報じた。この動きは、台湾有事や南シナ海における領有権問題を視野に入れた中国の海洋戦力増強の一環と見られている。
中国海軍の動向:空母3隻体制へ
中国海軍は近年、急速な近代化を進めており、空母戦力の拡充に特に力を入れている。今年5月には3隻目の空母「福建」が初の試験航行を実施し、来年にも就役する見込みだ。今回の大型艦建造は、この流れをさらに加速させるものとなるだろう。
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新型艦の特徴:日本の「ひゅうが」に類似?
建造中の大型艦は、日本の海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「ひゅうが」や、中国軍の強襲揚陸艦「075型」に構造が類似しているという。075型揚陸艦は艦載ヘリ30機を搭載可能とされ、島嶼部への兵員輸送や上陸作戦に重要な役割を果たすと考えられている。新型艦も同様の能力を持つ可能性が高く、中国の海洋進出戦略において重要なピースとなるだろう。軍事専門家(仮名:田中一郎氏)は、「この新型艦は、中国の海洋戦略における柔軟性を高める重要な存在となる可能性がある。ヘリ運用能力の向上は、様々な作戦展開を可能にするだろう」と指摘している。
海洋覇権を巡る緊張:南シナ海と台湾海峡
中国の海洋戦力増強は、南シナ海における領有権問題や台湾海峡の緊張の高まりと密接に関連している。中国は南シナ海の大部分を自国の領海と主張し、人工島の建設や軍事拠点化を進めている。また、台湾統一を目指し、軍事的な圧力を強めている。今回の大型艦建造も、こうした中国の強硬姿勢を反映したものと言えるだろう。
今後の展望:日米同盟の対応
中国の軍事力増強は、地域情勢の不安定化要因となる可能性があり、日本を含む周辺国は警戒を強めている。日米同盟は、中国の海洋進出に対抗するため、共同訓練や情報共有などを強化していく必要がある。専門家の中には、中国の軍事力増強に対抗するため、日米同盟のさらなる強化が必要だとする声もある。
中国の新たな大型艦建造は、東アジアの安全保障環境に大きな影響を与える可能性がある。今後の動向を注視していく必要がある。