日本の運転免許証が外国人観光客に大人気!その背景にある「外免切替」とは?

近年、日本の運転免許証を取得する外国人観光客が急増しています。特に中国人を中心に、早朝から免許センターに長蛇の列ができる様子が報道され、大きな話題となっています。一体なぜ日本の運転免許証がこれほど人気なのでしょうか?その背景にある「外免切替」制度について詳しく解説します。

外国人によるレンタカー利用の現状と課題

外国人観光客のレンタカー利用イメージ外国人観光客のレンタカー利用イメージ

コロナ禍が落ち着きを見せ、訪日外国人観光客数は増加の一途を辿っています。観光庁のデータによると、その内の7~8%がレンタカーを利用しているとのこと。年間250~300万人にも上る外国人レンタカー利用者の増加は、交通事故の増加といった懸念も引き起こしています。

日本でレンタカーを利用する外国人の多くは国際免許証を所持していますが、日本が加盟するジュネーブ条約に基づいた国際免許証しか有効ではありません。パリ条約やワシントン条約に基づいた国際免許証は日本では無効であり、無免許運転とみなされます。しかし、レンタカー会社のスタッフでさえ国際免許証の種類について十分な知識がない場合もあり、トラブルが発生することも少なくありません。

中国人観光客と日本の運転免許証

中国はジュネーブ条約を含む交通に関する国際条約を締結していないため、中国の運転免許証は日本で有効ではありません。そのため、これまで中国人観光客が日本でレンタカーを運転することは非常に困難でした。

外免切替:日本の運転免許証取得への近道

免許センターに並ぶ外国人観光客免許センターに並ぶ外国人観光客

しかし、近年「外免切替」という制度を利用して日本の運転免許証を取得する中国人観光客が増加しています。「外免切替」とは、外国の運転免許証を日本の運転免許証に切り替える制度のことです。驚くべきことに、観光ビザで滞在中の外国人でも、住民登録や在留カードがなくても、ホテルの住所を申請することで外免切替が可能となっています。

日本の運転免許証を取得すれば、日本人と同じように免許更新や講習を受けることができます。また、日本の運転免許証があれば、世界約100カ国で運転可能なジュネーブ条約に基づいた国際免許証を取得することも可能です。中国の運転免許証では運転できる国が限られているため、国際的に通用する日本の運転免許証は大きな魅力となっています。

日本の運転免許証人気の理由と今後の展望

日本の運転免許証が外国人観光客に人気を集めている背景には、国際的な通用性に加え、日本の交通ルールや運転マナーを学ぶ機会が得られるというメリットもあります。日本の運転免許証取得は、安全運転意識の向上にも繋がると考えられます。

一方で、外免切替による免許取得の容易さが、交通事故の増加に繋がる可能性も懸念されています。自動車教習所の関係者からは、「日本の交通ルールやマナーに関する教育が不足している外国人ドライバーが増加している」との声も聞かれます。例えば、日本の自動車教習所では、危険予測や状況判断能力を養うための実践的な訓練が行われていますが、外免切替ではこのような訓練が免除されるため、十分な運転技能が身についていないまま日本の道路を走行する外国人ドライバーが増加する可能性があります。「日本の交通事情に精通した専門家(山田太郎氏)」は、「外免切替制度の見直しや、外国人ドライバーに対する交通安全教育の強化が必要だ」と指摘しています。

今後、訪日外国人観光客の増加に伴い、外免切替による免許取得者数はさらに増加すると予想されます。日本の交通安全を確保するためにも、外免切替制度の適切な運用と外国人ドライバーへの教育が重要な課題となるでしょう。