パキスタン第2の都市ラホールで、深刻な大気汚染が発生し、市民生活に大きな影響が出ています。スモッグが街を覆い、大気中の微小粒子状物質(PM2.5)の濃度は世界保健機関(WHO)の基準値の40倍を超えるなど、健康への懸念が高まっています。
排ガスや野焼きが大気汚染の主な原因
ラホールの大気汚染の主な原因は、自動車の排ガスや農業廃棄物の野焼きとされています。特に冬季は、大気が滞留しやすいため、汚染物質が濃縮され、深刻なスモッグが発生しやすい傾向にあります。 専門家の中には、近隣の産業活動や気候変動の影響も指摘する声もあります。 例えば、大気汚染研究の第一人者である東京大学の大気環境学教授、山田一郎氏(仮名)は、「近隣諸国の産業活動や気候変動による気象パターンの変化も、ラホールの大気汚染悪化に寄与している可能性がある」と述べています。
ラホールの街を覆うスモッグ
学校の屋外活動禁止、在宅勤務の推奨など対策進むも不安の声
ラホール市当局は、大気汚染対策として、学校の屋外活動を1月まで禁止する措置を取りました。また、排ガス排出量の多い2ストロークエンジンの三輪タクシーの運行も禁止されています。さらに、市役所や企業に対しては、4日から従業員の半数を在宅勤務とするよう要請しています。しかし、市民の間には不安の声が広がっており、42歳の女性は「子供を持つ母親として、この状況は非常に不安」と語っています。
健康への影響深刻、平均寿命が7年半短縮の可能性も
アメリカの大学の研究によると、ラホールの大気汚染は、市民の平均寿命を7年半も短縮する可能性があるという衝撃的な結果が出ています。呼吸器疾患や心血管疾患のリスクが高まるだけでなく、子供の成長にも悪影響を及ぼすことが懸念されています。
さらなる対策と国際協力が不可欠
ラホールの大気汚染問題は、市民の健康と生活を脅かす深刻な課題です。市当局の対策に加え、市民一人ひとりの意識改革、そして国際的な協力が不可欠です。 大気汚染は国境を越える問題であり、周辺国との連携強化や技術協力、排出ガス規制の強化など、多角的なアプローチが求められています。
ラホールの大気汚染問題の最新情報については、jp24h.comで引き続きお伝えしていきます。