河野太郎氏、天皇皇后両陛下モンゴル随行で「不適切行動」報道 波紋広がる

在位中の天皇皇后両陛下にとって初となるモンゴルご訪問は、7月6日から13日の8日間にわたり、充実した時間を過ごされたことで記憶されるでしょう。「週刊文春」7月24日号でも詳報された天皇陛下と雅子さまのご様子や秘話は、国民の大きな関心を集めました。しかし、この歴史的な訪問の舞台裏では、同行した政府関係者や記者団から「顰蹙(ひんしゅく)」を買い続けた人物がいました。それは、両陛下の首席随員を務めた衆議院議員・河野太郎氏です。

首席随員 河野太郎氏への懸念と「物見遊山」批判

河野氏はこれまで外務大臣やデジタル大臣などを歴任してきましたが、皇室関連の活動や発言はほとんどありませんでした。昨年9月の自民党総裁選での惨敗以降、その存在感はめっきり薄れていたため、今回の首席随員という人選に対し、訪問前から「誰が推した人選なのか」と疑問の声が上がっていたといいます。日頃の記者会見での対応や独特なSNS発信が知られている河野氏に対し、皇室担当デスクからは「張り切り過ぎて妙なことにならなければいいが……」との不安視する声も聞かれていました。

そして、その懸念は的中してしまいます。政府専用機が出発すると、河野氏は機内の様子や機内食などを自身のX(旧Twitter)に次々と投稿し始めました。宮内庁関係者によれば、天皇皇后両陛下のご訪問は、日本国のありようを象徴するものです。両陛下も常に注視されていることを意識し、一つ一つの行事を大切にされています。当然、同行する訪問団もその一挙手一投足が諸外国から注目されることを自覚すべきであり、これは随行者にとって当然の心得です。にもかかわらず、まるで「物見遊山(ものみゆさん)」(観光旅行気分)と変わらない河野氏の行動に対し、多くの関係者が苦々しい視線を送っていたと報じられています。

河野太郎衆議院議員が自身のX(旧Twitter)に投稿した大相撲元横綱白鵬との記念写真。天皇皇后両陛下のモンゴルご訪問随行中の出来事。河野太郎衆議院議員が自身のX(旧Twitter)に投稿した大相撲元横綱白鵬との記念写真。天皇皇后両陛下のモンゴルご訪問随行中の出来事。

滞在中の“トリッキーな投稿”と「重大なルール違反」

モンゴル滞在中も、河野氏は様々な場面で問題視される投稿を繰り返しました。特に「重大なルール違反」と指摘されたのは、7日に天皇陛下がウランバートル市内のガチョールト水源を視察された際の投稿です。関係者によると、河野氏は当日の動線が分かる内部資料や、セキュリティ上撮影不可とされていた場所で撮影した写真を投稿し、周囲の関係者を驚かせたといいます。

河野氏にとっては「通常運転」であり、国民が知る機会の少ない皇室のご訪問の様子を提供しようとしたのかもしれません。しかし、その行動は情報セキュリティや皇室外交の厳格なプロトコルを逸脱するものでした。複数の関係者からの不満の声が上がっており、結果として、本来厳粛であるべき天皇皇后両陛下の公式訪問に、不適切な行動によって波紋を広げた形となりました。

天皇皇后両陛下のモンゴルご訪問に随行中の河野太郎デジタル相が、まるで観光気分で元横綱朝青龍と撮影したツーショット写真。天皇皇后両陛下のモンゴルご訪問に随行中の河野太郎デジタル相が、まるで観光気分で元横綱朝青龍と撮影したツーショット写真。

今回の河野氏の一連の行動は、単なるSNS投稿に留まらず、天皇皇后両陛下の海外訪問における随行員の適切な振る舞い、そして情報管理の重要性について改めて議論を呼ぶものとなりました。皇室の象徴としての重みを伴う外交の場において、随行する政府要人にはより一層の自覚と配慮が求められることを、今回の騒動は示唆しています。


参考文献:

  • 週刊文春 2025年7月24日号
  • Yahoo!ニュース(参照元リンク)