旧統一教会との関係が問題視されている山際大志郎・元経済再生担当大臣。比例復活を果たした衆院選の裏側で、事務所に未だ教会関係者が秘書として残っているとの疑惑が浮上しています。ジャーナリスト鈴木エイト氏が独自取材で迫ります。
選挙戦に見え隠れする旧統一教会の影
2024年10月15日の衆院選公示日、川崎市で行われた山際氏の出陣式は異様な雰囲気に包まれていました。報道陣の取材は「本人の希望」で拒否され、街頭演説も行わないとの通達が出されるなど、異例の対応が続きました。(その後、岸田文雄元首相や小林鷹之氏の応援演説は行われました。)
山際氏出陣式の張り紙
選対本部長の代理として取材に応じた大島明・川崎市議は、山際事務所は教会関係者とは関係を断絶したと主張。しかし、秘書A氏とB氏について問いただすと、「(統一教会を)辞めてますよ」と発言。教会を辞めた経緯については、山際事務所は明確な回答を避けています。旧統一教会との関係断絶を誓約した山際氏。果たして、その言葉の真意はどこにあるのでしょうか。
政治工作と安全保障上のリスク
統一教会が信者を政治家の秘書として送り込むことは、教団の政界工作の一環であると指摘されています。教祖の文鮮明氏は、「政治家の秘書となり、秘密を握り、自ら議員になれ」と指示していたとの証言もあります(週刊現代1999年2月27日号)。
山際氏
統一教会は現在、解散命令請求を受けており、その反社会性が問題視されています。閣僚経験のある山際氏の事務所に、教団関係者が秘書として勤務していたことは、安全保障上のリスクも懸念されます。山際氏が経済再生担当大臣を務めていた当時、A氏は大臣秘書官として首相官邸にも出入りしていたという事実。これは国益を損なう可能性もある重大な問題と言えるでしょう。政治と宗教の関係、そしてその背後に潜むリスクについて、私たちは真剣に向き合う必要があります。
「信仰暴露」という批判への反論
一部では、これらの疑惑追及を「信仰暴露」や「アウティング」と批判する声も上がっています。しかし、A氏、B氏が自らの意思で秘書になったとしても、統一教会の政界工作という文脈を無視することはできません。重要なのは、個人の信仰の自由ではなく、反社会性を持つ団体と政治家の関係性、そしてそれが国家にもたらす潜在的なリスクです。 国際政治アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「宗教団体が政治に過度に介入することは、民主主義の根幹を揺るがす危険性がある」と警鐘を鳴らしています。
真実の解明に向けて
山際氏と統一教会の関係、そして秘書たちの真の立場。多くの疑問が残されたまま、真相究明は道半ばです。私たちは、政治の透明性を確保するためにも、これらの疑惑を徹底的に追及していく必要があるでしょう。