6月29日、「第3回 安倍晋三元総理の志を継承する集い」が都内で開催されました。昭恵夫人、解散した旧安倍派(清和会)を中心とする約600人の議員らが集まり、故人を偲ぶ中で、石破茂首相(68)の行動が注目されました。石破首相は、会合の途中で会場を後にしたのです。
石破首相の早期退出
会合の前半に登壇した石破首相は、安倍元総理を「あらゆる選挙を勝利に導き、お支えした」と称賛し、思い出を語りました。続く岸田文雄前首相のあいさつを聞いた後、首相は足早に会場を後にしました。
安倍元総理が2022年7月に凶弾に倒れて以来、自民党は急速に勢いを失っています。石破政権下では衆議院で少数与党に転落し、先の都議選で大敗、7月の参院選も苦戦が予想されるなど、その政権運営に責任が集まっています。しかし、石破首相は、集会に残って現職議員たちの「生の声」を聞くことはありませんでした。
約600人が参加した「安倍晋三元総理の志を継承する集い」の壇上と会場
集会での厳しい政権批判
石破首相の退出後、壇上には旧安倍派「5人衆」の一人、萩生田光一元政調会長が立ちました。「安倍元総理という羅針盤を失い、今、それぞれが浮遊しているような状況だ」と述べ、自民党が直面する批判に触れました。衛藤晟一元沖縄北方担当相はさらに踏み込み、現状を「平成21(2009)年の政権を失ったときのような状況」と厳しく指摘。参院選への懸念を示しつつ、「安倍元総理の志を継承し、日本再生のために頑張らなければならない」と語気を強めると、会場からは割れんばかりの拍手が巻き起こりました。
ある全国紙の政治部デスクは、石破首相が「安倍さんのやることなすこと異論を唱えた『政敵』」であり、厳しい意見を予測して早期退出した可能性を指摘。最後まで傾聴していれば、結束を意識させる機会になったかもしれないとの見方を示しました。
「安倍晋三元総理の志を継承する集い」は、故人を偲ぶ場であると同時に、現政権への厳しい評価が示される場ともなりました。石破首相の早期退出と、旧安倍派議員からの相次ぐ批判は、自民党内に残る根深い対立と、迫り来る参院選を前にした党の危機的な状況を浮き彫りにしています。
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