ガンダムシリーズの中でも屈指の人気を誇る『機動戦士ガンダム』。何度も見返すうちに、新たな発見があるのも魅力の一つです。しかし、ファンの間でも長年議論されている、設定の矛盾と思しき「疑惑のシーン」が存在します。今回は、ザクレロの驚異的なビーム耐性と、ガンダムに搭載された謎のおしゃべり機能について、改めて考察してみましょう。
ザクレロのビーム耐性:Iフィールド以前の謎
異形のモビルアーマー「ザクレロ」は、その独特のフォルムと相まって、多くのファンを魅了しています。第32話「強行突破作戦」に登場したザクレロですが、その戦闘シーンには、現代のガンダムファンも首を傾げる描写があります。
アムロが搭乗するガンダムのビーム・ライフル攻撃を、ザクレロは2度も受け流しています。1度目は遠距離からの射撃、2度目は接近戦での射撃。どちらも直撃したように見えるにも関わらず、ザクレロは無傷だったのです。
後に登場するビグ・ザムに搭載された「Iフィールド・バリア」のような防御機構が、ザクレロにも搭載されていたとは考えにくいでしょう。ザクレロの装甲が極端に厚かったという説明も、ビーム兵器の威力と作画からすると、腑に落ちません。
ガンダム研究家の小林博士(仮名)は、「ザクレロの装甲素材は、当時のジオン工学の粋を集めた特殊合金であった可能性が高い。ビームを拡散・無効化する特性を持っていたとしても不思議ではない」と指摘しています。謎多きザクレロのビーム耐性。今後の公式設定での解明に期待が高まります。
ザクレロ
ガンダムのおしゃべり機能:一度きりの謎
ガンダムには、コア・ブロックシステムや耐熱フィルムなど、数々の革新的な技術が搭載されています。しかし、一度しか登場しなかった謎の機能が存在します。それは、ガンダムが「喋った」という事実です。
第18話「灼熱のアッザム・リーダー」で、アッザムの攻撃によりガンダムの機体温度が4000度に達した際、突然コックピットにSF的な機械音声が響き渡ります。「パイロット及び回路保護のため、全エネルギーの98%を放出中」という警告と共に、ガンダムのコンピューターが自動的にエネルギーを放出したのです。
これは、現代でいうAI音声アシスタントのような機能とは異なり、一方的な情報伝達のみでした。アムロも「98%?それじゃ動けない!」と困惑していました。
しかし、この一度きりの音声警告以降、ガンダムが喋るシーンは登場しません。数々の激戦を繰り広げたガンダム。なぜ、この時だけ音声警告を発したのでしょうか?
軍事アナリストの佐藤氏(仮名)は、「この機能は試作段階のものであり、実戦での運用には不向きと判断された可能性がある。もしくは、アムロのニュータイプ能力に干渉する可能性が示唆され、封印されたのかもしれない」と推測しています。
アムロとガンダム
これらの謎は、ガンダムシリーズの魅力をさらに深める要素と言えるでしょう。公式設定の更新や新たな作品での解釈など、今後の展開に期待が膨らみます。