アメリカ大統領選挙は「大接戦」の予想に反して、共和党のドナルド・トランプ氏が民主党のカマラ・ハリス氏に圧勝する結果となった。退任した大統領が返り咲くのは、グローバー・クリーブランド氏(1885~1889年、1893~1897年)以来、じつに132年ぶり2人めとなる。
第2次トランプ政権は、日本への影響も大きそうだ。
「トランプ氏は大統領選で関税の引き上げを公約にしてきました。中国からの輸入品には一律60%、その他の国からの輸入品には一律10~20%の関税をかけるとしています。日本も例外ではないので、輸出産業には打撃になるでしょう。
在日米軍へのさらなる負担増や武器の購入も持ちかけてくることが予想されます」(政治担当記者)
さまざまな無理難題が予期される第2次トランプ政権だが、そのカウンターパートとなる石破茂首相は、はたして良好な関係を築けるのだろうか。
ある自民党中堅議員がこう話す。
「石破首相は選挙後、トランプ氏と電話で5分ほど話し、できるだけ早い時期に対面して会談することを確認しました。トランプ氏の印象について『フレンドリーな感じ。言葉を飾ったり、つくろったりするのではなく、本音で話ができる人』との印象を語っていましたが……。
首相の趣味といえば、鉄道・アニメ・プラモデル・キャンディーズ。このどれも、トランプ氏が興味を示すとは思えません」
石破首相は政界きっての酒豪で知られ、「自慢ではないが、台湾の方にも飲み負けなかった。それもあって先方と親しくなった」が口癖で、数々の武勇伝はあるが……。こちらもトランプ氏との相性はよくなさそうだ。
前出の自民党議員は、「トランプ氏は酒を一滴も飲まず、ダイエットコーラが大好き。好きな食べ物もハンバーガーなどのファストフードですから、石破首相が得意とする『酒肴外交』も期待できません。会ったところで、話があうのかどうか」と表情を曇らせる。
一方、トランプ氏の外交術といえば、ゴルフを思い出す人も多いだろう。トランプ氏とのゴルフ外交に成功したのが、故・安倍晋三元首相だ。
「2016年にスタートした第1次トランプ政権時、日本は安倍氏が首相でした。当時はトランプ氏の思考が読めなかったため政権も苦労しましたが、『ゴルフ好き』という共通点があったので、安倍氏は親しくなれました。
在任中、2人は4回ほどラウンドしていますが、安倍氏は『本間ゴルフ』の最高級ドライバー(およそ50万円)を贈り、トランプ氏が来日したときは同氏のリクエストでプロゴルファーの青木功氏、松山英樹氏とのラウンドをセッティングするなど、気配りを見せました」(同)
こうしたことから「ドナルド」「シンゾー」と呼び合うほどになった両氏だが、石破首相はどうだろうか。自民党関係者がこう語る。
「銀行員時代や新人議員時代、少しだけゴルフをしていたようですが、性に合わなかったことと、『有権者に遊んでいるように見られるのでは』と心配したため、ずっとクラブは握っていないと思う」
打つ手なしか……と思いきや、石破首相が母校の慶應義塾高校でゴルフ部員だったことを、10月8日、「みんなのゴルフダイジェスト」が報じている。
「同誌に石破首相の高校時代の同期が証言しています。それによると『当時の石破首相との記憶は希薄』としながらも、『腕前は100を切るところまではいかなかったと思っている』とのことです。大学ではゴルフ部に在籍しなかったようですが、もしかしたらゴルフの “下地” はあるのではないでしょうか」(同)
「揺るぎない日米同盟」を掲げる自民党。石破首相はどのようにトランプ氏に “アプローチ” するのだろうか。