「ベタが最強」「アホが才能」 ノンスタ石田が考える「面白い漫才」の“絶対条件” 笑い飯、ヨネダ2000に共通する「ベタ」のセンス


■結局「ベタが最強」「アホが才能」

 僕ら漫才師は日々、「面白い漫才とはどういうものか」を考えています。

 僕は中の中レベルの中学・高校を、定期テスト前に付け焼き刃で勉強することでなんとか進級して、卒業しました。大学には行かずに板前修業を始めたころに、友だちに誘われて芸人になりました。要はあまり学がない人間なんです。

 だから、そもそも「賢いお笑い」は僕にはできません。だから、このアホさ加減を1つの才能やと思って、万人受けを狙っています。

 そういうことをすると、僕らのネタを見てくれる人たちの中に「ジョジョ」好きの輪ができます。「NON STYLEって、『ジョジョ』のマニアックなネタをやるよね、あれ好きなんだよね」と。

 でも、これは「私たち『ジョジョ』好きだけが知っていることをやってくれる」というマニア的な優越感でもあるでしょう。そんなふうにお客さんを選ぶようなことはしたくない。やっぱり僕らとして狙うべきは「ベタ」やと思うんです。

 ただ、ベタなことをベタな設定でやったらベタベタになって、「どこかで見たことがある」ようなネタになってしまいます。

 勝負どころは「ベタなこと」を、いかに「斬新な器」に入れて新しく見せるか。今のお笑いシーンは、このフェーズに入っているように見えます。

 たとえばヨネダ2000のネタは、めっちゃ斬新で奇抜に見えます。たしかに斬新で奇抜なところもあるんやけど、実は要所要所でちゃんとベタも入れている。僕から見て、さじ加減がほどよいコンビの1つです。



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