アメリカ大統領選挙は、共和党・トランプ前大統領の圧勝という衝撃的な結果で幕を閉じました。初の女性大統領誕生への期待が高まっていた民主党・ハリス副大統領は、なぜ敗北を喫したのでしょうか?本記事では、ハリス氏敗北の背景にあった「ハリス離れ」の真相に迫り、バイデン政権下での実績不足や、有権者が抱いていた違和感について、現地在住者の声も交えながら分析します。
ハリス氏、まさかの完敗。どこで逆風が吹いたのか?
事前予想では大接戦とされていた大統領選。しかし、開票が進むにつれてトランプ氏の優勢が顕著になり、最終的には圧勝という結果に。ハリス氏も敗北宣言を余儀なくされました。「トランプ氏の勝利は予想していたものの、ここまで圧倒的な差がつくと予想外だった」と2ちゃんねる創設者のひろゆき氏も驚くほどの結果でした。
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サンフランシスコ在住のビートラックス代表、ブランドン・K・ヒル氏は、トランプ氏への期待感よりも、現状への不満が今回の選挙結果に大きく影響したと分析しています。「経営者仲間からは『本当はトランプ氏に期待している』という声が聞こえてきた。バイデン政権下での4年間は経済的に苦しく、変化を求める声が大きかった」と語っています。
バイデン政権下での経済的苦境とハリス氏への不信感
バイデン政権下での経済的苦境は深刻でした。ブランドン氏は「カリフォルニア州は民主党支持が強い地域だが、物価高騰の影響は深刻で、企業経営者も従業員も生活コストの上昇に苦しんでいる」と現状を説明しています。インフレ調整のための賃上げは経営を圧迫し、従業員の生活も苦しい状況が続いていました。
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ニュージャージー州在住のジャーナリスト、冷泉彰彦氏も、この経済的苦境はカリフォルニア州に限ったことではないと指摘。「ニューヨークでも物価高騰は深刻で、治安の悪化も続いている。東海岸、西海岸の大都市圏でも現状への不満が高まっており、それが保守層の多い地域でのトランプ氏支持につながった」と分析しています。
治安悪化とドラッグ問題への懸念
さらに、治安の悪化も大きな問題でした。ブランドン氏は「ホームレスの多くは薬物中毒で、違法ドラッグの蔓延が都市を破壊している。トランプ氏は移民問題と国境問題を重視しており、違法ドラッグの流入阻止に期待する声もあった」と指摘しています。民主党政権の対応への不満が、トランプ氏支持につながった側面もあったと考えられます。
国民の経済的な苦しみ、治安の悪化への不安、そしてハリス氏の実績不足。これらの要因が複雑に絡み合い、「ハリス離れ」を引き起こし、最終的にトランプ氏の圧勝という結果につながったと言えるでしょう。