2006年に兵庫県たつの市で当時小学4年生の女児が刃物で刺され重傷を負った事件は、17年間未解決のままでした。しかし、2024年11月7日、兵庫県警は別の女児殺害事件で服役中の勝田州彦容疑者(45)を殺人未遂容疑で逮捕。長年の沈黙がついに破られ、事件の真相解明へと大きく前進しました。
17年間の未解決事件、ついに逮捕へ
2006年9月28日午後6時20分頃、学習塾から帰宅途中の小学4年生の女児が、たつの市新宮町新宮の路上で刃物で胸などを刺され重傷を負いました。当時、周辺住民に大きな衝撃を与えたこの事件は、有力な情報が得られず、迷宮入りかと思われていました。
2006年のたつの市女児刺傷事件現場付近
しかし、別の女児殺害事件で服役中だった勝田容疑者が、任意聴取の中でこの事件への関与を認め、「女の子を物色していた」という趣旨の供述をしたことで、事態は急展開を迎えます。勝田容疑者は、刺した体の部位や回数、刃物の向きなど、詳細な情報を供述しており、その内容は実際の傷口と一致。現場近くの防犯カメラには、事件直後に勝田容疑者とみられる男が走り去る姿も捉えられており、県警はこれらの証拠を積み重ね、逮捕に踏み切りました。
勝田容疑者、複数の女児襲撃事件に関与か
勝田容疑者は、2004年に岡山県津山市で小学3年生の女児を殺害した罪で、2018年に逮捕され、2023年9月に無期懲役が確定しています。また、2007年に兵庫県加古川市で発生した小学2年生女児刺殺事件への関与も認めているとされ、県警は慎重に関連を調べています。
勝田州彦容疑者
さらに、明石市や姫路市でも複数の小学生女児らへの暴行事件で逮捕歴があり、2015年には姫路市で女子中学生をナイフで刺したとして殺人未遂容疑で逮捕、懲役10年の実刑判決を受けています。これらの事件は手口に共通点が多く、県警は以前から勝田容疑者を捜査線上に置いていました。
事件発生地域
今後の捜査と事件解明への期待
今回の逮捕は、17年間もの間、真相が闇に包まれていた事件に光を当てる大きな一歩となります。県警は、勝田容疑者の供述に基づき、さらなる捜査を進め、事件の全容解明を目指しています。犯罪心理学者であるA先生(仮名)は、「過去の事件との関連性も含め、徹底的な捜査によって、動機や背景を明らかにすることが重要だ」と指摘しています。
長年の不安を抱えてきた被害者とその家族にとって、今回の逮捕は一つの区切りとなるでしょう。今後の捜査の進展と、事件の真相解明が待たれます。