アイドルグループ「iLiFE!」の熱烈なファンである20代男性が、強盗傷害と住居侵入の疑いで逮捕されました。犯行動機は、なんと推しのライブ参加費用を捻出するためだったと供述しており、闇バイトの危険性と若者が抱える経済的な問題が改めて浮き彫りとなりました。
葛飾区強盗事件の概要
11月2日、葛飾区の住宅に押し入った男が、住人の70代男性を粘着テープで縛り上げ、暴行を加えた上、現金などを奪って逃走しました。被害男性は肋骨骨折などの重傷を負っています。警視庁は、新宿区無職の本橋日尚太容疑者を強盗傷害と住居侵入の疑いで逮捕しました。
葛飾区の住宅に押し入った男が住人の70代男性を縛り上げて暴行を加えた上、現金などを奪って逃走。
闇バイトへの参加と「推し活」
本橋容疑者は、人気急上昇中のアイドルグループ「iLiFE!」の熱心なファンであり、特にメンバーのあいすさんを推していたようです。X(旧Twitter)には、ライブ参加への強い願望や、推しへの愛情を示す投稿が多数見られました。しかし、ライブ参加費用を工面するため、X上で闇バイトに応募したと供述しています。
本橋容疑者は、指示役から「タタキ」「受け子」「空き巣」といった役割を提示され、拒否したものの脅迫されて犯行に及んだとされています。これは、SNSなどで繋がった不特定多数の人間で構成される「匿名・流動型犯罪グループ」、いわゆる「トクリュウ」の特徴とされています。
匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」の危険性
「トクリュウ」は、指示役と実行者が直接会うことなく、SNSやメッセージアプリを通じて連絡を取り合うため、摘発が困難です。また、一度犯行に加担してしまうと、脅迫や報復を恐れて抜け出すのが難しく、犯罪の連鎖に陥りやすいという危険性を孕んでいます。
本橋容疑者のXには、ライブ参加への強い願望や、推しへの愛情を示す投稿が多数見られました。
若者を狙う闇バイトの闇
近年、手軽に高額報酬を得られるという謳い文句で若者を勧誘する闇バイトが横行しています。経済的に困窮している若者や、推し活などにお金を使いたい若者は、安易に闇バイトに手を出しがちです。しかし、その多くは犯罪行為に関わるものであり、逮捕されるリスクも高く、人生を棒に振ってしまう可能性があります。
専門家の意見
犯罪心理学者の田中一郎氏(仮名)は、次のように警鐘を鳴らしています。「若者は、将来への不安や経済的な問題を抱えやすく、闇バイトの甘い言葉に騙されやすい傾向があります。保護者や周囲の大人は、若者が抱える悩みに寄り添い、適切なサポートを提供することが重要です。」
闇バイト撲滅への取り組み
警察は、闇バイト撲滅に向けた啓発活動や取り締まりを強化しています。また、闇バイトに勧誘されたり、加担してしまったりした場合は、すぐに警察に相談するよう呼びかけています。
まとめ
今回の事件は、闇バイトの危険性と若者が抱える問題を改めて浮き彫りにしました。若者自身が、安易な金儲けに手を出さないよう注意するとともに、社会全体で若者をサポートする体制の構築が急務です。