東大合格という快挙を成し遂げた、寝たきり東大生・愼允翼さん。彼は、全身の筋力が低下する難病SMA(脊髄性筋萎縮症)を抱えながらも、類まれなる知性と不屈の精神で、夢を叶え続けています。今回は、允翼さんと母・張香理さんの歩んできた感動の軌跡をご紹介します。
SMAと診断された幼少期、そして芽生えた希望
允翼さんは1歳5ヶ月でSMAと診断されました。指先以外ほとんど動かせない体でありながら、驚くべき早さで言葉を覚え、アルファベットまで理解していたといいます。香理さんは、允翼さんが周囲の人に頼らざるを得ない状況だからこそ、必死に言葉を習得しようとしていたのだと振り返ります。
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特別支援学校への進学を勧められたものの、両親は允翼さんの将来の自立を願い、普通学級への入学を決意。この決断が、允翼さんの人生を大きく変えることになります。
努力と家族の支え、そして東大合格へ
持ち前の負けず嫌いと努力家で、勉強にも自由研究にも全力で取り組んだ允翼さん。香理さんは、夜遅くまで教科書をめくり続けるなど、献身的に允翼さんを支え続けました。
允翼さんの小学校入学を機に、香理さんも大学院へ進学。允翼さんの入退院を繰り返す姿を見て、「自宅で点滴ができれば」という思いから、医療の道を志したのです。
遺伝カウンセラーへの道、そして未来へ
医師を目指していた香理さんですが、担当医の齋藤医師(仮名)から「これからは遺伝カウンセラーの時代」とアドバイスを受け、遺伝カウンセラーの道へ。当時まだ新しい職業だった遺伝カウンセラーは、遺伝性疾患を持つ人やその家族に寄り添い、専門的な情報を提供する役割を担います。
香理さんは、お茶の水女子大学大学院の認定遺伝カウンセラー養成コースに1期生として入学。2008年に資格を取得後、様々な医療機関で経験を積みます。
香理さん自身も、子どもの病気に関する情報や子育ての不安に悩む親としての経験があったからこそ、遺伝カウンセラーとしての使命感を強く持っています。東京大学大学院に進学した允翼さんは、哲学を専攻。彼の探求心は尽きることがありません。
困難を乗り越え、未来を切り開く
SMAという難病を抱えながらも、東大合格という偉業を成し遂げた允翼さん。彼の努力と家族の支え、そして未来への希望に満ちたストーリーは、多くの人々に勇気を与えてくれるでしょう。允翼さんの今後の活躍に期待が高まります。