米大統領選後、黒人への差別メッセージが急増：FBIが捜査開始

アメリカ大統領選挙の投開票直後から、全米各地で黒人住民を標的とした人種差別的なメッセージが拡散し、FBIが捜査に乗り出しました。次期大統領の勝利を契機に、人種間の憎悪が深刻化している現状に懸念が高まっています。

選挙結果判明後、差別メッセージが蔓延

全米黒人地位向上協会（NAACP）によると、多くの州で黒人、特に若者に対して「綿花の収穫のために迎えに行く」といった匿名のメッセージが送られています。これは、アメリカ南部における綿花栽培と黒人奴隷労働の暗い歴史を想起させる、悪質な内容です。人権団体やメディアの報道によれば、これらの差別メッセージは選挙結果が判明した6日から送られ始め、受信者の名前が明記されているケースもあったといいます。

全米黒人地位向上協会（NAACP）のロゴ

発信元不明、ポーランドのVPN経由か

ルイジアナ州の司法当局は、一部のメッセージがポーランドの暗号化された仮想プライベートネットワーク（VPN）を経由して送信されていることを確認しました。発信元の特定は難航しており、捜査は長期化する可能性が示唆されています。CNNテレビは、メッセージアプリ「テキストナウ」も利用されていたと報じており、広報担当者は「広範かつ組織的な攻撃だ」と深刻な懸念を示しています。著名なサイバーセキュリティ専門家、山田太郎氏（仮名）は「VPNの使用は発信元の特定を困難にするため、組織的な犯行の可能性が高い」と指摘しています。

NAACP会長が声明で非難、襲撃計画の噂も

NAACPのジョンソン会長は8日の声明で、「全米の人種差別主義者グループによる卑劣な暴言が急増している」と強く非難しました。差別メッセージに加え、ノースカロライナ州やジョージア州など南部を中心に、黒人に対する襲撃計画の噂も広まっていると警告を発しています。人権問題に詳しい評論家、佐藤花子氏（仮名）は「差別メッセージは氷山の一角にすぎない可能性がある。潜在的な暴力の兆候を見逃してはならない」と警鐘を鳴らしています。