高齢化社会が進む日本では、スマホを使いこなす高齢者も増えています。しかし、便利な反面、ネット犯罪に巻き込まれるリスクも高まっているのが現状です。今回は、82歳のお父さんが闇バイトに勧誘されたという衝撃的な実例を通して、高齢者を狙う巧妙な手口と対策について考えてみましょう。
スマホが繋いだ闇バイトの世界
神奈川県に住む前田満さん(仮名・60代)は、80歳の誕生日プレゼントとしてお父さんにスマホを贈りました。スマホ教室にも通い、孫とのビデオ通話や脳トレアプリを楽しむなど、お父さんの生活は一変しました。満さんも、LINEで簡単に安否確認ができるようになり、スマホを持たせて良かったと安心していました。
alt="高齢の男性がスマホを操作している写真"
しかし、その安心は脆くも崩れ去ります。ある夜、見知らぬ男性から満さんのスマホに電話がかかってきました。「お宅のお父さんに電話をかけているけど、出てくれない。何かあったのでは?」と心配する声に、満さんは胸騒ぎを覚えます。
闇バイトの勧誘と驚愕の事実
すぐに実家に駆けつけた満さんは、安堵と共に驚愕の事実を知ることになります。お父さんは、X(旧Twitter)で見つけた「封書を届けるだけの仕事」という闇バイトに勧誘されていたのです。「たった2時間、即金2万円、年齢不問」という甘い言葉に釣られ、応募してしまったとのこと。
高齢者の間では、孤独感や経済的な不安から、このような手軽な高収入の仕事に惹かれるケースが増えています。犯罪組織は、その心理を巧みに利用し、高齢者を闇バイトに引き込もうとしているのです。 犯罪心理学の専門家、佐藤教授(仮名)は、「高齢者は社会経験が豊富で信頼されやすいという特徴があるため、犯罪組織にとっては格好の標的となっている」と警鐘を鳴らします。
高齢者を闇バイトから守るために
高齢者を闇バイトから守るためには、家族や周りのサポートが不可欠です。 具体的には、以下の点に注意しましょう。
家族ができること
- インターネットやSNSの利用状況を把握する
- 闇バイトの手口や危険性について話し合う
- 不審な勧誘を受けた際の相談窓口を共有する
- 定期的に連絡を取り合い、変化に気づく
社会全体でできること
- 闇バイト撲滅のための啓発活動
- 高齢者向けのスマホ教室や相談窓口の設置
- 警察や関係機関との連携強化
alt="封筒のイラスト"
まとめ
今回の事例は、誰もが被害者になりうることを示唆しています。家族や社会全体で協力し、高齢者を闇バイトの魔の手から守る必要があります。 高齢者自身も、安易な情報に惑わされず、少しでも怪しいと感じたら家族や信頼できる人に相談することが大切です。 「おいしい話には裏がある」ということを常に心に留めておきましょう。