家庭環境が悪ければ非行少年になるってホント?少年犯罪の意外な原因とは

家庭環境が悪ければ非行に走る…誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?しかし、実はこの通説、必ずしも真実ではないようです。今回は、少年犯罪の意外な原因と、非行を防ぐためのヒントを探っていきます。

家庭環境の影響は限定的? 友達の影響が大きいワケ

親からの虐待や育児放棄といった家庭環境の問題は、子どもの心に深い傷を残し、非行に走る一因となる、そんなイメージを持つ方も多いでしょう。確かに、家庭に問題があると、子どもが家に居場所を見いだせず、外に居場所を求める傾向があるのは事実です。

alt 家庭環境の問題を抱えた少年のイメージ写真alt 家庭環境の問題を抱えた少年のイメージ写真

しかし、近年の犯罪心理学研究では、家庭環境よりも、友人関係の影響の方が大きいという見解が有力です。法政大学の越智啓太教授の著書『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』(日本文芸社刊)でも、同様の指摘がされています。

悪友の誘い…分化的接触理論で読み解く

では、なぜ友達の影響がこれほどまでに大きいのでしょうか?そのヒントとなるのが、「分化的接触理論」です。この理論によれば、私たちの価値観は、身近な人との交流を通して形成されます。つまり、非行グループと深く関わることで、彼らの価値観に染まり、非行に手を染めてしまう可能性が高まるのです。

同じ価値観を持つ仲間といると、安心感や所属意識が得られます。そのため、一度非行グループに入ってしまうと、抜け出すのが難しくなるケースも少なくありません。

非行の真の原因…自己コントロール能力の欠如?

家庭環境や友人関係以外にも、非行に繋がる要因があります。それは、本人のパーソナリティ、特に「自己コントロール能力」です。自分の欲望や感情をコントロールできない、欲求不満に弱いといったタイプの人は、非行に走りやすい傾向があります。

更生への道…家庭の力は不可欠

とはいえ、一度非行に走ってしまったとしても、更生は可能です。そして、更生プロセスにおいて、家庭の力は非常に重要です。温かい家庭環境が、更生への大きな支えとなることは間違いありません。

まとめ:非行を防ぐためにできること

非行は、家庭環境、友人関係、自己コントロール能力など、複雑な要因が絡み合って起こります。だからこそ、多角的なアプローチが必要です。親は子どもとのコミュニケーションを密にし、信頼関係を築くことが大切です。また、学校や地域社会全体で、子どもたちの健全な成長をサポートしていく必要があります。

この記事が、少年犯罪について考えるきっかけになれば幸いです。ぜひ、ご自身の経験やご意見をコメント欄でお聞かせください。また、jp24h.comでは、他にも様々な社会問題に関する記事を掲載しています。ぜひ、ご覧ください。