重鎮を失った自民に暗雲
いったいどれだけの法案やプランがボツになるのか。両手で数えても足りないぐらいだ……。
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経産省内のいたるところからこんなため息が聞こえてくるという。省が推し進めてきた数々の重要政策の後ろ盾となってきた自民党の重鎮・甘利明氏が、衆院選で落選したからだ。同省の中堅官僚が嘆く。
「NTT法の見直しや次世代燃料電池の開発など、省の重要政策の最大の支援者が甘利先生でした。落選で特に打撃を受けるのが半導体政策。経産省主導で、国はこれまで4兆円を超える産業支援を行ってきましたが、それも半導体戦略推進議連会長の甘利先生がいたからこそ。
台湾の半導体企業・TSMCの熊本誘致もその力添えがあって実現したものですが、甘利先生の落選後、台湾では半導体産業の関係者が集まり、今後の日本の半導体政策を見通す意見交換会が開かれたほどです」
国内半導体企業支援にも苦言
目下危ぶまれるのが、北海道千歳市に次世代工場を建設中の半導体企業・ラピダスへの支援だ。
「政府はすでにラピダスへ9200億円の支援を決めていますが、自民党内から『巨額の支援を続ける必要があるのか』という声が出ている。理解のあった北海道5区の和田義明先生も落選してしまい、経産省は孤立無援状態。甘利先生なしでどう支援を継続するか、「後遺症」の克服方法を考える緊急会議が近く省内で開かれます」(同前)
経産省にとって、重鎮の落選はあまりに手痛かったようで。
「週刊現代」2024年11月16日・11月23日合併号より
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