広東省広州市の144年の歴史を誇る老舗飲茶店「陶陶居」で、ネズミが点心を食べる衝撃的な動画が拡散し、大きな波紋を広げています。食の安全に対する意識が高まる中、この事件は中国における食品衛生管理の課題を改めて浮き彫りにしました。jp24h.comでは、この事件の詳細と、中国で繰り返される食品衛生問題の背景について迫ります。
ネズミが点心に!?老舗飲茶店の信頼揺るがす事件
10月末、広州市荔湾区にある「陶陶居」本店で、客が調理場にネズミがいるのを目撃し、動画を撮影しました。動画には、せいろに入った点心をネズミがむさぼる様子が鮮明に映っており、SNSで拡散されると瞬く間に大きな話題となりました。「陶陶居」は1880年創業の老舗で、中国全土に支店を持つ有名店だけに、衝撃は大きく、食の安全に対する不安の声が多数上がっています。
せいろの中の点心を食べるネズミ
店側の対応と当局の調査
「陶陶居」は事件を受け、直ちに釈明を発表。「店員がせいろの蓋を閉め忘れた隙に、換気口から侵入したネズミが点心に触れた」と説明し、点心や食材、調理器具の廃棄、調理場の消毒、関連店員の職務停止、責任者の懲戒処分などを行ったと明らかにしました。
地元当局も現場調査を実施し、食品安全に関する規則違反の有無を調べています。しかし、広州市場監督管理局は具体的な行政処分内容については明らかにしておらず、情報公開の透明性も問われています。
後を絶たない中国の食品衛生問題
今回の事件は、中国で繰り返される食品衛生問題の一例に過ぎません。昨年も浙江省の火鍋店で、ネズミが牛肉をかじっている動画が拡散されたり、生きたネズミが客の頭上に落ちてくる事件が発生するなど、類似の事例が後を絶ちません。
食品安全コンサルタントの山田一郎氏(仮名)は、「衛生管理の徹底だけでなく、従業員教育の強化、監視体制の構築など、多角的な対策が必要だ」と指摘しています。消費者の信頼回復には、徹底した原因究明と再発防止策の実施が不可欠です。
点心を作る様子
食の安全を守るために
今回の「陶陶居」の事件は、私たち消費者に食の安全について改めて考えさせる機会となりました。外食産業だけでなく、家庭での調理においても衛生管理を徹底し、安全な食生活を送るように心がけたいものです。
「陶陶居」のような有名店でさえこのような事件が発生するということは、中国の外食産業全体にとって大きな警鐘となるはずです。今後、より一層の衛生管理の強化と透明性の確保が求められます。 jp24h.comでは、引き続き中国の食品衛生問題について注目し、最新情報をお届けしていきます。