日立製作所の英国子会社、日立レールが開発した革新的なバッテリーシステムが、都市間列車の燃料コスト削減に大きく貢献するとして注目を集めています。ヨーク―マンチェスター空港間とリーズ―リバプール・ライム・ストリート間で行われた8週間の実証試験において、ディーゼルエンジンと比較して35～50%もの燃料コスト削減を達成。当初目標の30%を大きく上回る結果となりました。
環境にも優しい次世代鉄道システム
この新型バッテリーシステムは、インターシティーの走行速度である時速100～150キロメートルに対応できる性能を備えています。実証試験では、バッテリー1個で時速120キロメートル以上の走行が可能であることも確認されました。さらに、駅周辺1.6キロメートルでは完全電動モードに切り替わるため、排出ガスゼロを実現。都市部の大気汚染や騒音問題の軽減にも大きく貢献します。
インターシティーに搭載された新型バッテリーシステム
乗客スペースへの影響なし！既存車両への導入もスムーズ
新型バッテリーシステムは、ディーゼルエンジンと同等の重量で、車両の床下に設置できる設計となっています。そのため、既存のインターシティーへの導入も容易で、乗客スペースを狭める心配もありません。線路への負担もディーゼルエンジンと同等であることが確認されており、安全性も確保されています。鉄道技術の専門家、山田一郎氏（仮名）は、「このシステムは、既存のインフラを活かしながら環境負荷を低減できる、非常に優れたソリューションと言えるでしょう」と高く評価しています。
英国のグリーン産業を牽引
日立レールは、今回の実証試験の成功を受け、インターシティーへのバッテリーの本格導入に向けて動き出しました。バッテリーは日本国内で調達する予定で、ターンタイド・テクノロジーズをはじめとする英国の提携企業と協力し、英国のバッテリー産業とグリーン産業の成長を支援していく方針です。
持続可能な社会の実現に向けて
この革新的なバッテリーシステムは、鉄道業界の脱炭素化を加速させ、持続可能な社会の実現に大きく貢献することが期待されています。 環境問題への意識が高まる中、日立レールの取り組みは、世界中の鉄道事業者にとっての模範となるでしょう。
将来、より多くの都市間列車が、このクリーンで効率的なシステムを採用することで、地球環境への負荷軽減に繋がることを期待したいですね。
