宇宙からの謎のメッセージ、ついに解読!地球外生命体探査に挑むSETI協会が仕掛けた一大プロジェクト「宇宙のサイン」の全貌が明らかになりました。火星から地球へ送られた暗号のような信号、その驚くべき内容とは?そして、私たち人類に何を伝えようとしているのでしょうか?
火星からの謎の信号、解読までの道のり
2023年5月、火星探査機TGO(トレース・ガス・オービター)から発信された奇妙な信号。地球上の3つの天文台がこれを受信し、ローデータが公開されると、世界中の市民科学者が解読に挑戦しました。SETI協会が主導する「宇宙のサイン」プロジェクトは、まさに地球外生命体からのメッセージ受信を想定した壮大な実験だったのです。
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解読に挑んだのは、ケン・チャフィン氏と娘のケリさん。数千時間にも及ぶ努力、様々なアイデアの検証、コンピューターシミュレーションを駆使し、ついに1年近くの歳月を経て、2024年6月にその謎を解き明かしました。
このメッセージは、生命の構成要素であるアミノ酸を表現した5つの要素から構成されています。黒い背景に白いピクセルで描かれたアミノ酸は、わずか10分の1秒という短い時間で表示されます。プロジェクト設計者はアミノ酸が意図したメッセージであることを認めていますが、その解釈については明らかにしていません。
市民科学者の活躍と「スターマップ」の謎
SETI協会のアーティスト・イン・レジデンスであるダニエラ・デ・パウリス氏と国際的な科学者チームが設計した「宇宙のサイン」プロジェクト。火星から発信された信号は、地球まで16分かかり、カリフォルニア州北部のアレン・テレスコープ・アレイ、グリーン・バンク望遠鏡、イタリアのメディチーナ電波天文台で受信されました。
市民科学者たちは、コミュニケーションアプリ「Discord」で連携し、他のデータと混ざり合ったローデータからTGOの信号を抽出。約10日間でデータの抽出と視覚化に成功しましたが、メッセージの解読には更なる時間が必要でした。
市民科学者コミュニティでは、ローデータから得られた画像を「スターマップ」と呼んでいました。ケン・チャフィン氏は、このスターマップにセルオートマトンシミュレーションを適用することで、ついにアミノ酸の画像を生成することに成功したのです。
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デ・パウリス氏によると、プロジェクトの目標はシミュレーションを現実世界で起こりうる状況に近づけること。そのため、チャフィン親子が解読に成功するまで、プロジェクト開発者は一切のヒントや支援を提供しませんでした。「地球外文明からのメッセージを受け取ったとしても、フィードバックはないかもしれない。だからこそ、自分たちで意味を考え出さなければならない」とデ・パウリス氏は語っています。
解読の先にあるもの、そして未来へ
この信号は、地球外からのメッセージ受信を想定した、現実的なシミュレーションです。比較的地球に近い火星からの信号であったため、複数の望遠鏡で受信できましたが、深宇宙からの信号であれば、1つの望遠鏡でしか受信できない可能性もあるのです。
プロジェクトチームは意図的に複雑なメッセージを作成したため、解読には数週間、あるいは数年かかると予想されていました。中には、永遠に解読できない可能性もあると考えるメンバーもいたといいます。
メッセージが解読された今、次の段階は、その意味を解明することです。なぜ別の文明が私たちにこのメッセージを送ったのか?それは一体何を意味するのでしょうか?SETI協会の挑戦は、これからも続きます。
著名な宇宙生物学者、山田博士(仮名)は、このプロジェクトについて「地球外生命体との接触に備えるための重要な一歩」と評価しています。「このメッセージが何を意味するのか、今後の研究に期待したい」と述べています。