維新代表選:吉村洋文氏擁立の動き加速、馬場伸幸氏の去就は?

日本維新の会は、先の衆議院選挙で6議席を失う痛手を負った。12月1日に行われる代表選を控え、党内では次期代表を巡る様々な思惑が渦巻いている。馬場伸幸現代表の不出馬表明を受け、吉村洋文大阪府知事への出馬要請が強まっている。

馬場氏の不出馬表明の真相

馬場氏は早期に代表選不出馬の意向を表明し、「人心を一新し、日本維新の会が再スタートを切る事が肝要」と説明している。しかし、政治部記者によると、その真意は複雑なようだ。「馬場氏は未だに入閣への未練を断ち切れていない」という指摘もある。過半数割れとなった与党の苦境を目の当たりにし、政局の混迷の中でキャスティングボートを握れば入閣のチャンスが巡ってくると考えているという見方もある。

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過去の国会審議における維新の対応も、党内での反馬場感情を助長したようだ。政治資金規正法改正案の審議において、維新は他の野党が「廃止」を訴える中、「領収書を10年後に公開」という案を提示し、与党案に賛成した。この行動は他の野党から批判を浴び、「自民党に塩を送った」と揶揄された。当時、官邸は維新に対し、馬場氏のポストを含む「入閣リスト」を提示したという話もあり、馬場氏はこのリストに目がくらんだと囁かれている。こうした経緯から、党内では馬場氏への不信感が高まっているようだ。

吉村氏擁立への動き

馬場氏の後継として、吉村洋文大阪府知事への期待が高まっている。維新関係者によると、今月5日、一部議員が吉村氏に出馬要請を行ったという。代表選立候補には50人の推薦人署名が必要だが、全国的な知名度を持つ吉村氏であればクリアは容易と見られている。8日には立候補予定者への説明会が開かれ、空本誠喜衆院議員と守島正衆院議員の秘書が出席した。守島氏は自身は出馬しないとしながらも、「誰が代表になっても支えられるよう、仲間を代表してスタッフを参加させた」と説明した。しかし、守島氏自身も吉村氏への出馬要請に名を連ねており、吉村氏擁立に動いていることは明白だ。

吉村氏は、明確な政策ビジョンと歯に衣着せぬ発言で国民からの支持を集めている。大阪府知事としての実績も高く評価されており、維新の新たなリーダーとして期待されている。一方で、国政への転身を急ぐことへの懸念や、党内調整の難しさも指摘されている。

維新の未来を占う代表選

今回の代表選は、維新の将来を左右する重要な選挙となる。吉村氏が代表に就任すれば、維新は新たなスタートを切り、さらなる躍進を目指すことになるだろう。しかし、党内には様々な意見や思惑があり、吉村氏擁立への道は必ずしも平坦ではない。今後の動向に注目が集まる。