ガーディアン紙がSNSプラットフォーム「X」(旧Twitter)からの撤退を表明しました。巨大メディアによる撤退劇、その背景には何があるのでしょうか?本稿では、ガーディアン紙の決断とXを取り巻く現状について詳しく解説します。
ガーディアン紙、Xへの投稿停止を決定
イギリスを代表する新聞社、ガーディアン紙が、公式アカウントでのXへの記事投稿を停止すると発表しました。同社は80以上の公式アカウントを保有し、総フォロワー数は2700万人に上ります。今後、これらのアカウントは運用停止となり、公式な情報発信は行われません。
ガーディアン紙のロゴ
撤退の理由:陰謀論、人種差別、そして選挙への影響
ガーディアン紙は撤退の理由として、X上に蔓延する陰謀論や人種差別的なコンテンツへの懸念を表明しました。長年にわたりプラットフォームの健全性を危惧してきた同社にとって、これらの有害なコンテンツは看過できない問題となっていました。
さらに、アメリカ大統領選挙において、Xが有害なプラットフォームとして機能し、オーナーであるイーロン・マスク氏が政治的言説の形成に影響力を行使したと批判しています。メディアの健全性と民主主義の原則を守るため、Xからの撤退を決断したと見られます。
X離れは加速するのか?北ウェールズ警察も利用停止
ガーディアン紙のXからの撤退は、他の組織にも影響を与える可能性があります。既に北ウェールズ警察も「組織の価値観と一致しない」としてXの利用を停止しており、今後、同様の動きが広がる可能性も示唆されています。
北ウェールズ警察の車両
情報収集は継続、個人の利用は容認
ガーディアン紙は公式アカウントでの情報発信は停止するものの、記者個人がXを利用して情報収集することは認めています。プラットフォームの現状に批判的立場を示しつつも、情報源としての価値は一定程度認めていると言えるでしょう。
メディアとプラットフォームの未来
ガーディアン紙の決断は、メディアとプラットフォームの関係性、そして情報発信のあり方について、改めて議論を呼ぶことになるでしょう。Xの今後の動向、そして他のメディアの対応に注目が集まります。