密輸されたコモドドラゴンやエメラルドツリーボアなど、1800匹を超える希少な外来生物が韓国で摘発されました。犯人グループは、幼体を下着やタバコの箱などに隠して密輸し、国内のアクアリウムなどに販売していたことが明らかになりました。今回の事件は、絶滅危惧種の保護と生態系保全の重要性を改めて浮き彫りにしています。
驚き!下着に隠されたコモドドラゴン
仁川空港税関は、2022年7月から2024年5月にかけて、タイやインドネシアなどから1865匹(約2億1200万円相当)の外来生物を密輸した14人を関税法違反の疑いで検察に送致しました。密輸された生物の中には、絶滅危惧種に指定されているコモドドラゴンやエメラルドツリーボア、ワニ、サソリなどが含まれていました。
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コモドドラゴンは、主にインドネシアに生息し、世界中で5000匹以下しかいない絶滅危惧種(CITES1)です。成体になると3メートルにもなるコモドドラゴンが韓国に密輸されたのは今回が初めてです。彼らはなんと50センチほどの幼体をタイの闇市場で購入し、下着の中に隠して密輸していたのです。
手口は巧妙:タバコの箱やカップ麺の容器も利用
犯人グループは、外来生物を布で包んで下着に隠したり、タバコの箱やカップ麺の容器などに入れて密輸していました。エメラルドツリーボアやヨウスコウアリゲーターなど、数百万ウォンから数億ウォンで取引される希少種も含まれていました。
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主犯格の2人は高校の同窓生で、2022年にもカメなどを密輸した前歴がありました。彼らは、海外旅行を無料にする代わりに密輸を手伝うよう知人を誘い、運び屋として利用していたのです。「爬虫類・両生類研究所」の山田博士は、「このような手口は巧妙化しており、水際での取り締まり強化が急務です」と指摘しています。
オンライン販売で高額転売:アクアリウム経営者も関与
密輸された外来生物は、オンラインのカフェなどで販売されたり、専門の爬虫類店に流通させられたりしていました。例えば、タイから密輸されたビルマホシガメは、30万ウォンで購入され、韓国国内では400万ウォンで販売されていました。ワシントン条約(CITES)1級に指定されているビルマホシガメは、正規の輸入手続きには200万ウォン程度の費用がかかります。多くの購入者は、正規に輸入されたものだと思って購入していたようです。
地方でアクアリウムを経営する40代の男は、密輸された生物だと知りながら取引していたことが判明しました。彼は、自分のアクアリウムに展示するために直接密輸したり、主犯格に密輸を依頼したりしていた疑いが持たれています。さらに、アクアリウムの職員を運び屋として利用したり、偽造した輸出許可書類を使ってコモドドラゴンを正規輸入したように見せかけようとしたこともありました。
生態系への影響と対策
仁川空港税関は、押収した外来生物約800匹のうち、生きている110匹余りを国立生態院などに預けて保護しています。「生物多様性保護協会」の佐藤氏は、「外来生物の密輸は、在来種を駆逐したり、未知の病気を持ち込む可能性があり、生態系に深刻な影響を与えます」と警鐘を鳴らしています。仁川空港税関は、「外来生物の密輸は国内の生態系を乱し、国民の安全を脅かす」として、密輸が疑われる場合は情報提供を呼びかけています。