【住宅ローン金利上昇!】変動金利を選択した場合の返済額への影響と対策

住宅ローン、特に変動金利型を選択されている方にとって、最近の金利上昇は大きな関心事でしょう。金利が上がると返済額はどうなるのか、不安を感じている方も少なくないはずです。この記事では、変動金利型住宅ローンの金利上昇が返済額に与える影響について、分かりやすく解説します。具体的なシミュレーションや専門家の意見も交えながら、今後の対策についても考えてみましょう。

変動金利型住宅ローンの金利上昇の背景

なぜ、住宅ローンの金利は上昇しているのでしょうか?2024年9月、大手銀行が相次いで変動金利型住宅ローンの基準金利を引き上げました。その背景には、日本銀行の政策金利の変更があります。日銀が政策金利を引き上げたことで、金融機関が設定する短期プライムレートも上昇。変動金利型住宅ローンの基準金利は、この短期プライムレートに連動しているため、基準金利の引き上げに繋がったのです。

金利上昇は返済額にどう影響する?シミュレーションで確認

金利が上昇すると、返済額は具体的にどれくらい増えるのでしょうか?りそな銀行を例に、以下の条件でシミュレーションを行ってみました。

  • 借入額:3,500万円
  • 返済期間:35年
  • ボーナス払い:なし
  • 基準金利引き上げ前の適用金利:0.34%
  • 基準金利引き上げ後の適用金利:0.49%

計算の結果、適用金利が0.34%の場合は月々の返済額が8万8,401円、0.49%の場合は9万700円となりました。つまり、金利が0.15%上昇すると、月々の返済額は約2,300円増加することになります。

alt: 住宅ローンの返済額シミュレーション結果alt: 住宅ローンの返済額シミュレーション結果

住宅ローン専門家の山田一郎氏(仮名)は、「一見少額の増加に見えるかもしれませんが、長期間に渡る返済においては、総返済額に大きな差が生じます。家計への影響をしっかりと把握しておくことが重要です」と指摘しています。

すぐに返済額が増えないケースも?「5年ルール」と「125%ルール」

実は、基準金利が上昇しても、すぐに返済額が増加しない場合があります。それは、多くの金融機関が「返済額5年ごと見直しルール」と「返済見直し125%ルール」を採用しているからです。

「返済額5年ごと見直しルール」とは、金利の見直しは半年に1度行われるものの、返済額の見直しは5年に1度しか行われないというルールです。

また、「返済見直し125%ルール」とは、返済額の見直しを行う際に、前回の返済額の125%を上限とするルールです。つまり、返済額が急激に増加することはありません。

ただし、これらのルールがあっても、金利上昇によって利息の支払額が増加し、元金の返済額が減少することは避けられません。結果的に、総返済額は増加します。

金利上昇への対策:繰上返済の検討

金利上昇による影響を軽減するためには、繰上返済を検討することも有効です。繰上返済によって元金を減らすことで、利息の負担を軽減することができます。

将来の金利上昇リスクを考慮し、余裕資金がある場合は繰上返済を検討してみましょう。ファイナンシャルプランナーの佐藤花子氏(仮名)は、「繰上返済は、将来の金利変動リスクを軽減するための有効な手段です。ただし、ご自身のライフプランや資金状況に合わせて、慎重に検討することが大切です」とアドバイスしています。

まとめ:金利上昇への備えを

変動金利型住宅ローンの金利上昇は、家計に大きな影響を与える可能性があります。金利の動向を常に注視し、シミュレーションなどを活用して返済額の変化を把握しておくことが重要です。繰上返済や固定金利への借り換えなど、様々な選択肢を検討し、将来に備えましょう。