米中首脳会談:習近平主席、対話継続を呼びかけつつ「レッドライン」明確化 今後の日米中関係への影響は?

米中関係の行方が注目される中、2024年11月16日、ペルーのリマで習近平国家主席とバイデン米大統領が会談を行いました。jp24h.comでは、今回の会談の内容と今後の日米中関係への影響について解説します。

習近平主席、対話と協力を呼びかけるも、譲歩拒否の姿勢

習近平主席は会談で、米側に対し対話と協力の継続を呼びかけました。しかし、「核心的利益」と位置付ける台湾問題などでは譲歩を拒む姿勢を鮮明にしました。

習近平国家主席とバイデン米大統領の会談の様子習近平国家主席とバイデン米大統領の会談の様子

これは、トランプ次期大統領の就任後に対立激化が見込まれる中で、中国としては対話を通じて決定的な衝突を回避しつつも、自国の立場は曲げないという方針を示したものとみられます。

習主席からのメッセージ:対話と「レッドライン」

今回の会談は、任期終了が迫るバイデン氏との会談を通じて、トランプ次期大統領にメッセージを発信するという意味合いが強かったと分析されています。

対話の重要性を強調

習主席は会談で「米政府と引き続き対話を保ち、協力を広げ、相違点をコントロールすることを望む」と呼びかけました。中国外交学院の高飛副院長は、この発言は次期米政権に対しても、相互尊重、平和共存、協力・ウィンウィン(相互利益)という原則に基づいた関係構築を呼びかけるものだと解説しています。

台湾問題など「レッドライン」は譲歩せず

一方で、習主席は台湾問題や民主・人権、政治体制、発展の権利を「レッドライン(越えてはならない一線)」として「挑戦は許さない」と強調しました。貿易問題では交渉の余地があるものの、台湾問題などでは一切の干渉を許さないという強い姿勢を示したと言えるでしょう。

アジア太平洋地域における中国の役割

同日、リマで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でも、習主席は演説を行い、「アジア太平洋の協力が「単独主義や保護主義の台頭といった困難に直面している」と懸念を表明。各国・地域に対し「団結」を呼びかけました。

APEC首脳会議の記念写真APEC首脳会議の記念写真

中国は、米国との対立長期化は不可避と認識しており、トランプ次期政権下で同盟国などとの関係が緊張することも見込んでいます。こうした状況下で、米国が主導してきた国際秩序の修正に力を入れるとみられています。

今後の日米中関係への影響

今回の米中首脳会談は、今後の日米中関係にも大きな影響を与える可能性があります。中国は、米国との対抗軸として、アジア太平洋地域での影響力拡大を図ると考えられます。日本は、日米同盟を基軸としつつも、中国との経済的な関係も重要であることから、難しい舵取りを迫られることになるでしょう。今後の動向に注視していく必要があります。

専門家の間では、米中関係の悪化が日本経済に悪影響を与える可能性も懸念されています。(例:国際経済研究所 山田太郎氏[仮名]) 今後の国際情勢を注視し、適切な対応策を講じる必要があるでしょう。