ウクライナ紛争の行方が、米国の新たな動きによってさらに不透明さを増しています。複数の米メディアは、バイデン大統領がウクライナ軍に対し、米国供与の長距離ミサイルを用いたロシア領内への攻撃を容認したと報じました。この決定は、ロシアが北朝鮮兵士を戦線に投入したことに対する対抗措置とされています。
米国の長距離ミサイル供与:戦局に変化をもたらすか?
ウクライナ側は以前から長距離ミサイルの供与を強く求めていましたが、米国は紛争拡大への懸念から慎重な姿勢を保っていました。今回の容認は、米国の従来の方針からの大きな転換点と言えるでしょう。供与される見込みのATACMS(エイタクムス)は射程約300kmの長距離地対地ミサイルで、ロシアのクルスク州などへの攻撃が想定されています。軍事アナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「ATACMSの投入は、ウクライナ軍の攻撃能力を飛躍的に向上させる可能性がある」と指摘しています。ロシア軍の補給線を断ち、後方拠点を攻撃することで、戦況に大きな影響を与えることが予想されます。
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ゼレンスキー大統領の反応とロシア側の警告
一方、ゼレンスキー大統領は報道について言及を避け、「ミサイルが自ら語るだろう」と謎めいた発言をしています。公式な発表はまだないものの、ウクライナ側の期待の高まりが伺えます。
ロシア側は、米国の決定に強く反発しています。ロシア連邦議会のジャバロフ議員は、この動きが紛争を激化させ、第三次世界大戦につながる可能性があると警告しました。国際社会の緊張が高まる中、今後の展開が懸念されます。
ロシア軍による大規模ミサイル攻撃:ウクライナのエネルギー施設に被害
こうした緊迫した状況の中、ロシア軍はウクライナ全土に大規模なミサイル攻撃を実施。少なくとも7人が死亡し、複数のエネルギー施設が被害を受けました。ゼレンスキー大統領は、「敵はウクライナ全土の電力インフラを標的にした」とロシアを非難。この規模の攻撃は、8月以来3ヶ月ぶりとなります。
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今後の展望:更なる緊張の高まりが懸念される
米国の長距離ミサイル供与は、ウクライナ紛争の新たな局面を切り開く可能性があります。しかし、同時にロシアとの緊張をさらに高めるリスクも孕んでいます。今後の動向に、世界中が注目しています。