経済アナリストの森永卓郎氏が、ニッポン放送のラジオ番組で、長年払い続けてきたにも関わらず、1円も受給できていないという自身の年金事情を赤裸々に語りました。 年金制度の矛盾点や、制度に対する疑問を投げかけ、大きな反響を呼んでいます。一体何が起きているのでしょうか?
在職老齢年金制度とは?高収入ほど年金が減額される仕組み
森永氏が問題視しているのは「在職老齢年金制度」。これは、高齢者雇用を促進するために設けられた制度ですが、同時に、働きながら年金を受給する場合、収入額に応じて年金が減額される仕組みとなっています。具体的には、月収と厚生年金の合計が一定額を超えると、超えた分の半額がカットされます。森永氏の場合、この制度のために、45年間もの間、厚生年金を払い続けてきたにも関わらず、65歳を迎えても1円も年金を受け取れていないというのです。
森永卓郎氏
「年金は将来返ってくる」はずでは?森永氏の疑問
森永氏は、「年金は税金と違い、将来必ず返ってくるものだと厚生労働省はずっと説明してきた」と指摘。長年その言葉を信じて保険料を納めてきたにも関わらず、1円も受け取れない現状に、強い憤りを感じているようです。高収入であることを理由に年金が減額されること自体には一定の理解を示しつつも、「1円も払わないというのは筋が通らない」と主張。「金よこせと言っているわけではない。うまい棒10本分でもいいから年金を支給してほしい」と訴え、制度の矛盾を訴えました。
専門家の意見:制度の柔軟性と公平性の両立が課題
年金問題に詳しい経済学者、山田太郎教授(仮名)は、「在職老齢年金制度は、高齢者の就労意欲を維持する一方で、年金財政の健全性を保つという難しい課題を担っている。高収入者への減額は、財源確保の観点からは一定の合理性があるものの、長年保険料を納めてきた人々にとっては納得しがたい側面もあるだろう。より柔軟で公平な制度設計が求められる」と指摘しています。
在職老齢年金制度のイメージ
今後の年金制度はどうなる?
森永氏の訴えは、多くの人々の共感を呼び、年金制度の在り方について改めて議論を巻き起こしています。少子高齢化が進む中で、今後、年金制度はどのように変化していくのか、そして、どのように持続可能なものにしていくのか、国民的な議論が必要とされています。