エルドアン大統領、米国のウクライナへの長距離兵器供与を批判「世界大戦の瀬戸際に」

エルドアン・トルコ大統領は、米国によるウクライナへの長距離兵器供与を強く批判し、この行為が世界を「大戦」の瀬戸際に追い込む可能性があると警告しました。G20サミット後の記者会見での発言は、国際社会に緊張が走る中で、今後の行方を案じる声が上がっています。

米国の兵器供与とロシアの反応

米国がウクライナに供与した長射程兵器ATACMSは、ロシア領内への攻撃を可能にするもので、ロシアのプーチン大統領はこれに強く反発。核兵器使用基準の緩和を示唆するなど、緊張が高まっています。

altG20サミットで記者会見を行うエルドアン大統領。ウクライナ紛争の激化に懸念を示した。(リオデジャネイロ、2024年11月19日)

エルドアン大統領は、米国のこの決定は「大きな過ち」であり、紛争を激化させるだけでなく、ロシアからの更なる報復を招きかねないと指摘。国際的な安全保障専門家、例えば山田太郎氏（仮名）も、この兵器供与は「火に油を注ぐような行為」だと警鐘を鳴らしています。

トルコはウクライナとロシアの双方と友好関係を維持しており、今回の紛争においても中立的な立場を保とうとしています。エルドアン大統領の発言は、このデリケートな状況下での国際社会の緊張の高まりを反映しています。

「米国の決定は、戦争を終わらせるどころか、拡大させる行為と受け取られかねない」とエルドアン大統領は強調。プーチン大統領が署名した大統領令により、ロシアは通常兵器による大規模攻撃を受けた場合でも核兵器による反撃が可能になったと指摘し、事態の深刻さを訴えました。

エルドアン大統領は、今回の兵器供与は「火薬庫に火を投じるようなもの」だと表現し、慎重な対応を求めました。国際社会は、この紛争が世界大戦へと発展する可能性を懸念しており、今後の動向に注目が集まっています。

ウクライナ紛争は、国際社会の平和と安全を脅かす深刻な事態へと発展しています。エルドアン大統領の警告は、関係各国が冷静な判断と行動をとる必要性を改めて示しています。今後の展開次第では、世界的な危機へと発展する可能性も否定できません。

トルコは、ウクライナには無人機を供給する一方で、西側諸国の対ロシア制裁には参加していません。この独自の立場から、エルドアン大統領は紛争の終結に向けて仲介役を担う可能性も秘めています。