ウクライナ紛争が緊迫する中、ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したというショッキングなニュースが世界を駆け巡りました。ウクライナ空軍の発表によると、ロシアは21日午前、南部アストラハン州からICBMを発射。ウクライナ紛争において、ロシアがこのような長距離かつ強力なミサイルを使用したのは初めてのことです。これは、冷戦終結後、ICBMが実戦で使用された初の事例となる可能性があり、国際社会の注目を集めています。
ロシアによるICBM発射:軍事専門家の見解
軍事専門家の中には、今回のICBM発射が事実であれば、歴史的な出来事になると指摘する声も上がっています。ICBMは核弾頭を搭載可能であり、その破壊力は計り知れません。ウクライナ軍は弾頭の詳細を明らかにしていませんが、もし核弾頭が使用されていれば、紛争はさらに深刻な局面を迎えることになります。ロシア大統領府はコメントを控えており、真相究明が待たれます。
ドニプロペトロフスク州の状況。ウクライナ緊急サービス提供(2024年 ロイター)
発射されたICBMの種類と性能
ウクライナのメディア、ウクライナ・プラウダは匿名筋の情報として、発射されたICBMは固体燃料式の「RS-26ルベジ」だと報じています。軍備管理協会によると、RS-26の射程は5800キロに達し、戦略国際問題研究所(CSIS)の推定では、全長は約12メートル、重量は約36トン。800キロの核弾頭を搭載できるとされています。この強力なミサイルがウクライナ紛争で使用されたという事実は、紛争のエスカレーションを懸念させるものです。
ウクライナへの攻撃と被害状況
ウクライナ空軍によると、ロシア軍はICBMに加えて、極超音速ミサイル「キンジャル」1発と巡航ミサイル「Kh-101」7発も発射。ウクライナ軍はKh-101のうち6発を撃墜したと発表しています。ロシア軍の標的はドニプロの企業と重要インフラでしたが、ICBMの具体的な標的は不明です。ドニプロペトロフスク州のリサク知事は、ドニプロの企業1社が被害を受け、火災が発生し、2人が負傷したと報告しています。
国際社会の反応と今後の展望
ロシアによるICBM発射は、国際社会に大きな衝撃を与えています。各国政府は事態を注視し、今後の対応を協議しています。 専門家の間では、この攻撃が紛争の長期化につながる可能性や、更なる軍事行動の引き金となる可能性が懸念されています。今後の情勢については予断を許さない状況です。
ウクライナ紛争におけるICBM発射は、紛争の新たな局面を象徴する出来事と言えるでしょう。今後の展開が注目されます。