手足口病、本来は夏の子供の病気というイメージですが、実は大人にも感染が広がり、重症化するケースも出ています。2024年秋、異例の流行を見せている手足口病について、症状、原因、予防法まで詳しく解説します。
なぜ大人が感染?手足口病の流行状況
2024年秋、手足口病の感染者が急増し、昨年の8倍にも達しています。夏に流行したウイルスとは型が異なり、コクサッキーウイルスA16による感染拡大が確認されています。韓国や台湾など近隣諸国でも流行が報告されており、インバウンドの影響も懸念されています。
見逃し注意!大人の手足口病の症状
大人は発疹が出る前に喉の痛みを感じることが多く、風邪と間違えやすいのが特徴です。手足の湿疹を「あせも」と自己判断してしまうケースもあり、診断が遅れることで感染を広げてしまう可能性があります。ひまわり医院院長・伊藤大介先生(内科・皮膚科)によると、「マイコプラズマ肺炎や新型コロナウイルス感染症、インフルエンザも流行しているため、手足口病が見落とされがち」とのこと。
大人の手足口病は、子供よりも症状が重く、強い痛みを伴う発疹が出ることがあります。倦怠感、悪寒、関節痛、筋肉痛といった症状が現れる場合も。重症化すると髄膜炎、脳炎、心筋炎といった合併症を引き起こすリスクもあるため、特に妊婦さんや基礎疾患のある高齢者の方は注意が必要です。
大人の手足口病は痛みが激しいのが特徴
手足口病の感染経路と予防策
手足口病は、飛沫感染、接触感染、糞便・経口感染によって広がります。効果的なワクチンや予防薬がないため、感染予防が重要です。手洗いやうがいを徹底し、タオルの共用は避けましょう。マスクの着用も効果的です。
感染が治まった後も、2~4週間は便の中にウイルスが残っている可能性があります。家族間感染を防ぐためにも、衛生管理に気を配りましょう。食品安全専門家の山田花子さん(仮名)は、「家庭では、特にトイレやドアノブなど、共用部分の消毒を徹底することが大切です」とアドバイスしています。
手足口病の潜伏期間と治療法
手足口病の潜伏期間は3~7日程度です。残念ながら特効薬はなく、対症療法が中心となります。発熱や痛みには解熱鎮痛剤を使用し、脱水症状を防ぐために水分補給をしっかり行いましょう。口内炎がひどい場合は、食事が難しくなるため、刺激の少ない柔らかいものを食べるように心がけてください。
まとめ:手足口病への対策を万全に
2024年秋、流行が拡大している手足口病。大人も感染し、重症化する可能性があることを理解し、感染予防策を徹底することが重要です。手洗いうがい、マスク着用、そして周囲への配慮を心がけましょう。少しでも体調に異変を感じたら、早めに医療機関を受診してください。