韓国でテコンドー選手が交際女性を顔面蹴り、自宅侵入も – 社会に衝撃

韓国社会に衝撃を与える凄惨な暴行事件が発生した。交際中の20代女性が、テコンドー選手の男性から顔を蹴られるなどの暴行を受けた上、事件後には男性が女性の自宅に無断で侵入し、「謝罪するから来てくれ」とメッセージを送っていたことが明らかになった。この一連の出来事は、韓国のJTBC番組「事件班長」が2025年8月14日に報じ、広範な議論を呼んでいる。

韓国でテコンドー選手による交際女性への暴行事件を報じるJTBC「事件班長」の放送画面韓国でテコンドー選手による交際女性への暴行事件を報じるJTBC「事件班長」の放送画面

凄惨な暴行事件の全容

事件は2025年8月2日の夜に発生した。約1年6カ月交際していた30代のテコンドー選手の男性と被害女性は、知人との集まりに参加していたが、会の途中で口論になった。男性は先に店を立ち去り、女性も気まずい雰囲気の中で外に出た。

言い争いが続く中、被害女性がその場を離れようと背を向けた瞬間、男性は女性の襟首を掴んで強く引き寄せ、女性のTシャツは破れた。さらに、女性がスマートフォンで通報しようとすると、男性はそれを奪い地面に投げ捨てた。その後、女性の帽子を蹴り飛ばし、さらにその顔面を足で蹴りつけた後、現場を立ち去ったという。

「助けて」と叫びながら苦しんでいた被害女性は、通りがかった市民の助けにより病院に搬送された。この暴行により、女性は鼻血が止まらず、視界がぼやけ、歯も揺れるなどの外傷を負った。後に精密検査の結果、眼窩底骨折と診断される重傷だった。

執拗な監視と無断侵入の恐怖

加害者の男性は、日頃から被害女性に対して異常なほどの執着を見せており、位置情報追跡アプリを使って女性の行動を監視していたことも判明した。事件からわずか数時間後には、男性は被害女性の家に無断で侵入するというさらに恐ろしい行動に出た。

男性は、侵入した部屋の内部を撮影した写真を被害女性に送りつけ、「俺がひざまずいて謝るから。すぐに来てくれ」というメッセージを送ってきた。被害女性はこれに対し、「もし自宅に戻っていたら、もっとひどく殴られていたと思う。家に入るには3つの暗証番号が必要で、彼には教えたことがない。おそらく私が入力するのを隣で見ていて覚えたのだろう」と語り、恐怖と戦っている現状を明かした。この証言は、加害者の執拗さと周到な準備を示唆している。

被害女性のトラウマと警察の保護措置

被害女性は現在、暴行の後遺症に加え、加害者による報復への不安から、日常生活を送ることが困難なほどの深刻な心的外傷(トラウマ)を抱えている。精神的な苦痛は深く、被害女性は助けを求めている。

この事態を受け、警察は被害女性の周辺に対する警戒を強化している。また、女性の安全を確保するため、緊急時に位置情報を発信できるスマートウォッチを支給するなど、保護措置に全力を尽くすとしている。韓国社会では、この事件をきっかけに交際相手間での暴力(DV)やストーカー行為に対する意識がさらに高まっており、再発防止に向けた議論が活発化している。

参考文献

  • JTBC「事件班長」2025年8月14日放送
  • KOREA WAVE/AFPBB News