ロシアがウクライナ東部ドニプロへの攻撃にICBM(大陸間弾道ミサイル)を使用したという報道は、世界に衝撃を与えました。もし事実であれば、ICBMが実戦で使用された史上初の事例となり、核兵器使用への懸念がさらに高まることになります。
ICBM使用の真意:核の脅威と焦り
今回のICBM使用の背景には、ロシアの焦りと核兵器による威嚇という2つの要素が見て取れます。
核兵器使用基準の引き下げ
ロシアは先日、核兵器使用基準を引き下げ、自国領土への通常兵器攻撃にも核兵器で報復可能としました。今回のICBM使用は、この基準変更を踏まえた示威行為とも考えられます。専門家の中には、通常弾頭を搭載したICBM攻撃は非効率的で、真の目的はウクライナと西側諸国への核の脅威だと指摘する声もあります。例えば、国連軍縮研究所(UNIDIR)の研究員はX(旧Twitter)で「通常弾頭を搭載したICBM攻撃は低精度かつ高コストで無意味だ」と投稿しています。
ICBM発射の想像図
米英の長距離兵器供与への対抗
一方で、ウクライナへの米英製長距離兵器供与もロシアの焦りを増幅させている可能性があります。これらの兵器はウクライナ軍の反転攻勢を後押しする可能性があり、ロシアにとっては脅威です。ICBMの使用は、こうした西側諸国の支援に対する牽制の意味も込められていると言えるでしょう。
ICBMとは何か?その脅威
ICBMとは、射程5500km以上の大陸間弾道ミサイルです。米議会調査局によると、ロシアは2024年9月末時点で326発のICBMを配備しているとされています。その破壊力は甚大であり、国際社会の安全保障にとって大きな脅威となります。
ロシアのICBM:RS-26の可能性
報道によれば、今回使用されたICBMはRS-26(射程約5800km、弾頭搭載量約800kg)とみられています。RS-26は、ロシアの核戦力近代化計画の一環として開発された新型ミサイルです。その高い精度と機動性は、西側諸国にとって大きな懸念材料となっています。
ミサイルの軌道
今後の展望
今回のICBM使用は、ウクライナ紛争の更なるエスカレーションを示唆するものであり、国際社会は緊張感を高めています。今後の展開次第では、より深刻な事態に発展する可能性も否定できません。日本を含む国際社会は、事態の推移を注視し、平和的解決に向けた努力を継続していく必要があります。
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