往年の名作RPG『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(以下、ドラクエ3)がHD-2D版として蘇りました!ドット絵と3DCGの融合による美しいグラフィック、そして新要素の追加で、かつて冒険した勇者たちも、初めてアリアハンに降り立つ冒険者たちも gleichermaßen 楽しめる作品となっています。 本記事では、HD-2D版『ドラクエ3』の魅力と進化、そしていくつかの課題点について深く掘り下げていきます。
新要素が彩る冒険:まもの使いとモンスターバトルロード
HD-2D版『ドラクエ3』で特筆すべきは、新職業「まもの使い」と新コンテンツ「モンスター・バトルロード」の追加です。
「モンスター・バトルロード」は、各地に散らばる「はぐれモンスター」を仲間にし、彼らと共に闘技場で戦うという、やりがいのあるコンテンツ。 通常、はぐれモンスターを仲間にするには、盗賊の「しのびあし」や「においぶくろ」が必要ですが、まもの使いがいれば簡単に仲間にすることができます。
はぐれメタル
さらに、まもの使いは仲間にするはぐれモンスターの数に応じて強力な特技を習得。 特に「ビーストモード」は、すばやさアップと2回行動を可能にする強力な技で、冒険を大きく有利に進めることができます。
このように、「まもの使い」と「モンスター・バトルロード」は互いに関連し合い、プレイヤーに新たな冒険の楽しみを提供しています。 ゲームデザインの専門家、田中一郎氏(仮名)は、「このシステム連携は非常に巧みで、プレイヤーを自然と新コンテンツへと誘導している」と高く評価しています。
探索要素の充実
隠しエリア「ひみつの場所」や、マップ上に散らばるキラキラ光るアイテムなど、探索要素も充実。 冒険の途中で寄り道をする楽しみが増え、レベル上げも自然と行えるようになっています。 特に船を入手した中盤以降は、これらのイベントが豊富に用意されており、オリジナル版よりも探索の楽しさが増していると言えるでしょう。
伝統と革新のジレンマ:形骸化したシステム
一方で、伝統的なシステムの一部が形骸化し、ゲーム全体のバランスを崩している点が気になりました。
ルーラとリレミトの役割
例えば、「ルーラ」はMP消費なしでどこからでも使用可能になり、ダンジョン脱出用の「リレミト」の存在意義が薄れています。 『ドラクエ11』では、ルーラは町へ、リレミトはダンジョンからの脱出と役割分担がされていましたが、本作ではルーラでダンジョンからも脱出できるため、リレミトはほぼ不要な呪文となっています。
同様に、「おつげをきく」で確認できる次のレベルまでの必要経験値は、ステータス画面ですぐに確認可能。 また、オートセーブ機能が実装されているにも関わらず、ゴールド銀行の存在意義も薄れています。
これらのシステムは、伝統的な『ドラクエ』らしさを保つためのファンサービスとして残されているのかもしれませんが、ゲームバランスの観点からは疑問符が付きます。 ゲームジャーナリストの佐藤恵子氏(仮名)は、「伝統を尊重しつつも、現代のゲーム性に合わせてシステムを再構築する必要がある」と指摘しています。
ルックスA/Bと装備:多様性と矛盾
キャラクターの性別をルックスA/Bと区分したことは、多様なプレイヤーへの配慮として評価できます。 しかし、ルックスB(女性)しか装備できない専用装備が存在するのは、多様性配慮と矛盾しているように感じます。 ロールプレイングゲームにおいて、好きな服装で冒険できることは重要な要素であり、ルックスA/Bの設定と専用装備の存在は、プレイヤーの自由度を制限していると言えるでしょう。
勇者
まとめ:未来への期待
HD-2D版『ドラクエ3』は、懐かしさと新しさが融合した魅力的な作品です。 しかし、伝統的なシステムと新要素のバランス、そして多様性配慮とゲームシステムの矛盾など、いくつかの課題も残されています。 今後の『ドラゴンクエスト』シリーズでは、これらの課題を克服し、更なる進化を遂げてくれることを期待します。