韓国の人気女性アイドルグループNMIXX(エンミックス)の日本コンサート開催を巡り、波紋が広がっている。来年1月に千葉県の「ららアリーナ東京ベイ」で開催予定だが、彼女たちが過去に韓国の国民的歌謡曲「独島はわが領土」をパフォーマンスしたことが、日本国内で反発を招いているのだ。
「独島はわが領土」パフォーマンスが火種に
NMIXXは8月にYouTube番組で「独島はわが領土」を披露。この曲は「誰かが自分の領土と言い張ろうが、独島(竹島の韓国側呼称)はわが領土」といった歌詞で知られ、竹島(韓国名:独島)の領有権を主張する内容となっている。彼女たちは、異なるジャンルの曲を混ぜて歌う「ミックスポップ」というスタイルで同曲を披露したが、これがコンサート開催反対派の火種となっている。
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オンライン署名で5万人超の反対署名
オンライン署名サイト「Change.org」では、「日本人、日本国の尊厳を傷つけ侮辱したにも関わらず、日本のファンと国民に謝罪しない」としてコンサート開催の中止を求める署名活動が開始。既に5万人以上の署名が集まっている。
韓国側の反応と「独島チャレンジ」
韓国メディアはこの騒動を大きく取り上げ、「NMIXXはミックスポップというグループの特徴を知らせるために歌った」と報道。また、日本の右翼勢力が論争を煽り、韓国の歌手のパフォーマンスを利用して竹島が日本固有の領土であるという主張を拡大しようとしている、とする有識者のコメントを紹介している。
さらに、韓国では昨年11月からSNSで韓流スターや歌手のダンス画像に「独島はわが領土」をかぶせる映像を流す「独島チャレンジ」が流行。世界中にファンを持つK-POPの力を利用して、竹島が韓国領であることをアピールする狙いがあると指摘されている。
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日韓関係に影を落とす領土問題
竹島は日韓両国が領有権を主張する島。日本政府は竹島が歴史的にも国際法上も日本の固有の領土であるとの立場を明確に示しており、韓国側の不法占拠を非難している。今回のNMIXXのコンサート騒動は、こうした日韓間のデリケートな問題を改めて浮き彫りにした形となった。 竹島の領有権問題に詳しい国際法学者、田中一郎氏(仮名)は、「文化交流と政治的主張は切り離して考えるべきだ。今回の件は、民間レベルの交流に水を差すだけでなく、日韓関係の更なる悪化を招きかねない」と懸念を示している。
コンサート開催の行方は
NMIXXの日本コンサート開催の行方は未だ不透明だ。主催者側は今後の対応について明らかにしていないが、今回の騒動は日韓の文化交流における政治的メッセージのあり方について、改めて議論を呼ぶことになりそうだ。