パワーカップル。華やかで羨ましい響きを持つ言葉ですが、その実態は意外と堅実なのかもしれません。共働きで高収入を得ている夫婦、いわゆるパワーカップルの生活とはどのようなものなのでしょうか。今回は、世帯年収1800万円を超える夫婦のリアルな生活を覗いてみましょう。
パワーカップルとは?その実態
ニッセイ基礎研究所のレポートでは、「夫婦共に年収700万円以上」をパワーカップルと定義しています。厚生労働省の「2023年 国民生活基礎調査の概況」によると、世帯収入の中央値は405万円、平均所得金額は524万2000円。パワーカップル世帯は2023年で40万世帯、全体の0.69%、共働き世帯の中でもわずか2.42%と、少数派であることがわかります。
パワーカップルのイメージ
高収入にも関わらず、都内在住のパワーカップルの中には、質素な生活を送る夫婦も少なくないようです。
1800万円超えでも「全身ユニクロ」?
都内在住のIT系コンサルタントAさん(35歳)とベンチャー企業勤務の妻(34歳)は、世帯年収1800万円を超えるパワーカップル。しかし、生活はいたって質素だと語ります。
「大学時代の同級生と結婚し、昨年中古住宅を購入しました。住宅ローンが毎月15万円ほどなので、手取りで考えると余裕があるわけではありません。結婚式もせず、海外旅行にも行っていません。」
タワマンのイメージ
将来への不安から、つみたてNISAや貯蓄を優先しているというAさん。普段着はユニクロが多く、在宅勤務の日にはスウェットで過ごすことも多いそうです。
堅実な生活の背景に潜む将来への不安
ファイナンシャルプランナーの山田美智子氏(仮名)は、「高収入層の家庭でも、教育費や老後資金への不安から堅実な生活を送るケースが増えています。特に住宅ローンを抱えている場合は、支出を抑える傾向が強まります」と指摘します。
パワーカップルの生活は多様
パワーカップルの生活は、収入や生活環境、価値観によって大きく異なります。贅沢を楽しむ夫婦もいれば、Aさんのように堅実な生活を送る夫婦もいるのです。
消費よりも将来への投資を重視
Aさん夫婦のように、将来への投資を重視するパワーカップルは増加傾向にあります。消費よりも資産形成を優先し、堅実な生活を送ることで、将来の安心を確保しようとしているのです。
まとめ:パワーカップルは「贅沢」だけではない
パワーカップル=贅沢な暮らし、というイメージは必ずしも正しくないようです。将来への不安や堅実な価値観を持つパワーカップルも少なくありません。多様なライフスタイルが存在する現代において、パワーカップルの定義も変化していくのかもしれません。