韓国・釜山(プサン)海洋警察署は、日本から絶滅危惧種のクジラ肉4トン以上を密輸した疑いで、40人ほどを摘発したと発表しました。食品衛生法違反、野生生物保護と管理に関する法律違反の容疑で、運搬役や買い取り業者らが在宅で立件されています。
密輸の手口と摘発の経緯
2023年6月から2024年4月にかけて、大阪で購入されたクジラ肉の加工品が手荷物として韓国に持ち込まれていました。主犯格の男は知人を通じて運搬役を募集し、3~4人ずつのグループで日本へ渡航。30万ウォンの日当で、計24回にわたり4640キログラムものクジラ肉が密輸されました。
密輸されたクジラ肉を押収する釜山海洋警察署
釜山海洋警察署は、機密情報を入手後、動線捜査や潜伏捜査などを駆使して運搬役を追跡。密輸されたクジラ肉を買い取った4人も立件し、押収したクジラ肉は全て廃棄処分されました。
主犯格への判決と今後の捜査
既に主犯格の男は裁判で、食品衛生法違反、野生生物保護と管理に関する法律違反の罪で懲役2年、執行猶予3年の判決を受けています。海洋警察は、「残る捜査も多角的に検討し、事件を徹底的に解明する」と述べています。
絶滅危惧種保護の重要性
国際的に絶滅危惧種に指定されているクジラは、環境部長官の許可なく取引することはできません。今回の事件は、絶滅危惧種保護の重要性を改めて示すものとなりました。 専門家の山田一郎氏(仮名)は、「このような違法行為は、クジラの個体数減少に拍車をかけ、生態系のバランスを崩す恐れがある。国際的な協力体制を強化し、密輸の取り締まりを徹底する必要がある」と指摘しています。
クジラ肉の密輸を防ぐために
今回の事件のように、巧妙化する密輸の手口に対抗するためには、関係機関の連携強化、情報共有の促進が不可欠です。また、消費者の意識改革も重要です。クジラ肉が絶滅危惧種であることを認識し、違法な取引に関与しないようにすることが求められます。
釜山海洋警察署の迅速な対応により、今回の大規模な密輸事件は明るみに出ました。しかし、依然として闇市場での取引が行われている可能性も否定できません。関係当局は引き続き警戒を強め、密輸の根絶に向けて取り組む必要があります。