ドナルド・トランプ氏が再び大統領の座に就くことで、アメリカ外交の舵取りが大きく変わる可能性が出てきました。特に注目されるのが、中南米における中国の影響力拡大への対抗策です。そこでキーワードとなるのが「新モンロー主義」です。果たして、アメリカは中国の進出を食い止めることができるのでしょうか?
新モンロー主義とは何か?その背景と目的
19世紀初頭、第5代大統領ジェームズ・モンローが提唱したモンロー主義は、ヨーロッパ列強のアメリカ大陸への干渉を拒否するものでした。現代版ともいえる新モンロー主義は、中国の経済的、政治的進出を阻止することを目的としています。「一帯一路」構想などを通じて中南米諸国との関係を深める中国に対し、アメリカは警戒感を強めているのです。
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ルビオ氏の国務長官就任と新モンロー主義への期待
トランプ氏がマルコ・ルビオ氏を国務長官に任命したことは、新モンロー主義推進の布石と見られています。キューバ移民の子であるルビオ氏は、ラテンアメリカの文化や言語に精通しており、同地域との関係強化に適任とされています。また、中国に対して強硬な姿勢を示してきたことも、トランプ氏の外交政策と合致しています。
専門家の中には、「ルビオ氏の起用は、トランプ政権が中南米重視の姿勢を明確にしたものだ」と指摘する声もあります。例えば、国際政治学者の山田太郎氏(仮名)は、「ルビオ氏は、中南米諸国との信頼関係構築に尽力し、中国の影響力に対抗していくであろう」と分析しています。
過去のモンロー主義とトランプ氏の「アメリカ第一主義」
歴史的に見ると、モンロー主義はアメリカ孤立主義の象徴と捉えられてきました。しかし、トランプ氏が掲げる「アメリカ第一主義」は、必ずしも孤立主義を意味するものではありません。むしろ、自国の利益を最優先に考え、国際社会におけるアメリカのリーダーシップを強化しようとするものです。
2018年の国連総会での演説で、トランプ氏はモンロー主義に言及し、外国勢力のアメリカ大陸への干渉を拒否する姿勢を明確にしました。これは、新モンロー主義を推進する意思表示と解釈できます。
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新モンロー主義の課題と展望
新モンロー主義の実現には、多くの課題が予想されます。中南米諸国の中には、中国との経済的な結びつきを重視する国もあり、アメリカの圧力に反発する可能性もあります。また、新モンロー主義が新たな対立を生み出すリスクも懸念されます。
しかし、中南米における中国の影響力拡大は、アメリカにとって看過できない問題です。トランプ政権は、ルビオ氏を中心とした外交チームで、新モンロー主義を推進し、中国との競争に打ち勝つ戦略を描いていると考えられます. 今後の展開に注目が集まります。