ルーマニアで24日に行われた大統領選挙の第1回投票で、事前の予想に反し、親ロシア派のジョルジェスク候補がトップに立ちました。この結果に、ルーマニア国内だけでなく国際社会からも懸念の声が上がっています。ジョルジェスク候補の勝利は、ルーマニアのウクライナ支援政策にどのような影響を与えるのでしょうか。今後の展開に注目が集まります。
親ロシア派候補、ジョルジェスク氏とは?
ジョルジェスク氏は、極右政党の党首であり、これまでロシアを称賛する発言を繰り返してきた人物です。比較的無名な存在でしたが、TikTokなどのSNSを駆使し、若年層を中心に支持を広げました。
ウクライナ支援打ち切りを主張
ジョルジェスク氏は、ウクライナ支援の打ち切りを公約に掲げています。NATO加盟国であるルーマニアは、隣国ウクライナへの軍事支援を積極的に行ってきました。彼の主張は、この支援政策の根幹を揺るがす可能性があり、今後のルーマニアとウクライナの関係に大きな影響を与えることが懸念されます。
ルーマニアの国旗
NATOミサイル防衛システムへの批判
ジョルジェスク氏は、ルーマニアに配備されているNATOのミサイル防衛システムを「外交の恥」と批判しています。さらに、ロシアによる攻撃を受けた場合、NATO加盟国がルーマニアを守るとは限らないと主張しています。この発言は、NATOの結束に疑問を投げかけるものであり、同盟国間の信頼関係に悪影響を与える可能性があります。
若年層への浸透
ジョルジェスク氏が若年層から支持を集めている背景には、SNSの活用が挙げられます。TikTokなどを通じて、簡潔なメッセージで自身の主張を発信し、若い世代の共感を得ることに成功しました。
決選投票へ
11月8日に行われる決選投票では、ジョルジェスク氏と中道右派の野党指導者が争います。今後の選挙戦で、ジョルジェスク氏の親ロシア的な姿勢が改めて問われることになるでしょう。ルーマニアの将来、そしてウクライナ情勢を左右する重要な選挙となります。
選挙ポスター
ルーマニアの有権者の選択は、同国の外交政策、そしてヨーロッパ全体の安全保障に大きな影響を与える可能性があります。今後の動向に、世界中から注目が集まっています。