高齢化が進む日本で、親族が自治体によって突然引き離され、長期間の面会さえ拒否されるという深刻な問題が浮き彫りになっています。本記事では、東京都港区で起きた事例を基に、この問題の実態に迫ります。一体何が起こっているのでしょうか?
30代女性、口論がきっかけで母と引き離される
東京都港区に住む30代の斉藤裕子さん(仮名)は、2022年9月22日、80代の母と些細な口論をしました。裕子さんの母は統合失調症の既往歴があり、興奮状態のまま家を出て警察に助けを求めました。
港区の街並み
警察からの連絡を受けた港区役所は、裕子さんの母を区内のデイケアサービス施設に一時保護。裕子さんは施設に母の携帯電話の充電器と着替えを届けましたが、その3日後、母との連絡が完全に途絶えてしまったのです。
連絡不通、そして衝撃の事実
心配になった裕子さんがデイケアサービスに問い合わせると、信じられない事実を告げられます。母は施設から別の場所に移送され、裕子さんとの面会は認められないというのです。裕子さんはパニックに陥りました。一体何が起こっているのか、母はどこにいるのか、全く分からなくなったのです。
裕子さんと同じような経験をした家族は少なくありません。家族の同意なしに成年後見人が選任され、財産が処分されたケース、医療保護入院という形で精神科病院に長期入院させられ、家族との連絡が遮断されたケースも報告されています。
専門家の見解
高齢者福祉に詳しい専門家、山田一郎氏(仮名)は、このような事態について次のように述べています。「自治体には高齢者を保護する義務がありますが、家族との関係を軽視する傾向が見られます。家族の意向を尊重し、適切なコミュニケーションを図ることが重要です。」
行政による介入の是非
高齢者の保護と人権擁護のバランス、家族の権利と自治体の権限の在り方など、多くの課題が山積しています。このような問題を解決するためには、行政の透明性確保、家族への情報提供の徹底、第三者機関による監視体制の強化などが求められます。
高齢者と家族
この問題は、高齢化社会における大きな課題であり、早急な対策が必要です。誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて、関係機関の連携強化と意識改革が不可欠です。