兵庫県知事選で再選を果たした斎藤元彦知事を巡る公選法違反疑惑が波紋を広げている。事の発端は、選挙戦で斎藤氏を支援したPR会社への報酬支払いにまつわるものだ。弁護士で中大法科大学院教授の野村修也氏は、この件について公選法違反には当たらないとの見解を示したが、元大阪府知事の橋下徹氏は、自身のSNSで野村氏の見解に異議を唱え、斎藤知事の「権力行使の杜撰さ」を厳しく批判した。
斎藤知事への疑惑とは?PR会社への報酬支払いが焦点に
斎藤知事は、選挙戦でSNS戦略などを提案したPR会社に約70万円を支払った。しかし、公選法では選挙活動で報酬を支払える対象が厳しく制限されており、PR会社への報酬支払いが公選法違反に当たる可能性が浮上した。斎藤知事自身は疑惑を否定し、支払いは「製作費」だと説明している。PR会社との契約が口頭契約だった点も疑問視されている。
斎藤元彦兵庫県知事
野村修也氏の見解:公選法違反には当たらない?
野村氏は、斎藤知事への支払いは「立候補準備行為」への対価であり、公選法違反には当たらないと主張。70万円という金額も常識的な範囲内であり、選挙運動の対価を先払いしたと認定することはできないと述べている。また、事前収賄の可能性についても、現時点の事実関係からは悪意のある憶測だと一蹴した。
橋下徹氏の反論:「権力行使の杜撰さ」を批判
一方、橋下氏は野村氏の見解に強く反論。知事経験者としての立場から、「県と密な関係にある会社に、知事選のPRなどを頼まないのが僕の権力行使の感覚」と述べ、斎藤知事の行動を批判した。
橋下氏はさらに、大阪万博やカジノなど利害関係者が多数存在する大阪において、自身は極めて慎重な権力行使を心がけてきたと強調。有権者全体にかかる政策については大胆なチャレンジも必要だが、自身の立場や利益、利害関係者への便益に関する権力行使は慎重を期すべきだと主張した。そして、斎藤知事の問題はまさに後者の権力行使が杜撰である点にあると指摘した。
権力者のチェック機能の重要性
橋下氏は、斎藤知事は有権者からの人当たりも良く、政策も評価されているため支持を集めているかもしれないが、権力者の権力行使のチェックは、特に権力者自身の利害に関わる部分こそ重要だと強調した。
まとめ:今後の展開に注目
斎藤知事の公選法違反疑惑は、橋下氏の批判によってさらに注目を集めることとなった。今後の捜査の進展や、斎藤知事側の対応に注目が集まっている。